ガイドコメント
UKを中心に欧州で大ブレイク中のエレクトロ・デュオ、ロイクソップ。彼らのデビュー・アルバム『メロディーA.M.』をボーナスCD付きで再リリース。高い評価を得たPVが鑑賞できる。
収録曲
[Disc 1]
01SO EASY
ミドル・テンポのクールなエレクトロニカ・トラック。アナログ・シンセの温かみと無機質なビートを組み合わせ、新感覚のポップなクラブ・サウンドを創造。深い湖の底から響いてくるような深遠な響きと、キラキラした透明度の高いサンプリング音が魅力の楽曲。聴き進むにつれジワリと効いてくる計算尽くされた構成も見事だ。
02EPLE
心地よい軽快なテンポで進行するコスミックなクラブ・チューン。生音っぽいドラムとアナログ・シンセのピコピコ・サウンドが有機的に絡み合い、立体的なメロディがとめどなく紡ぎ出されていく展開。デリケートに揺れるリズムの変化や、音の隙間を埋め尽くすように空間にあふれる無数の電子音は、満天の星の瞬きを思わせる繊細な構成美を誇っている。
03SPARKS
ゆったりとしたビートのなかでうごめく動的なベース・ラインが印象的な、しっとりしたクラブ系ナンバー。無機質に加工されたアンニュイな女性ヴォーカルと、宙をさまようようなギターのフレーズが叙情的なメロディを奏でていく。少ない音数で構成されたサウンドは、ミラーボールが回るフロアに訪れた一瞬の安息といった趣。
04IN SPACE
映画のワンシーンを思わせる美的サウンドが特徴のエレクトロニカ・ポップ。レコード針の擦れる音がアナログ感を引き立たせるシルキーな導入部から一転、4つ打ちのドラムが挿入され、リリカルなシンセ音がスペースを淡く染め上げていく展開。ポロポロと紡ぎ出されるメロディは、北欧の澄み切った空気のように新鮮な響きを持つ。
05POOR LENO
バンド・キャラクターのレノ君をモチーフにしたディスコ・ナンバー。深遠な奥行きをもつヴォーカルと洗練されたブレイクビーツが交差するエレクトリック・チューンで、均一なトーンと淡々とした進行が逆にダンスフロアを熱くさせる最大の要因。作られた静寂の中で自然発火した熱狂が、幻想的なサウンド空間を作り上げていく。
06A HIGHER PLACE
内省的なサウンドが特徴のクールなクラブ系ナンバー。ブーストしたドラムの8ビート、波のようにゆったりと打ち寄せるシンセサイザー群、その上を細かな無数のサンプリング音が飛び交う展開。空疎な独白のように聴こえる不安定なヴォーカルが、ミステリアスな雰囲気を醸し出す。静けさのなかにほのかな狂気の炎が見え隠れするようなトラック。
07ロイクソップのお休み- RヨYKSOPP'S NIGHT OUT -
ロックとエレクトロニカを融合させた力強いビートが特徴のダンス・ミュージック。古代の儀式を思わせるプリミティヴな音像と、テクノロジーの集合体としてのサンプリング・サウンドがミックスされた異色のクラブ・チューン。電子音楽の一大絵巻を見ているようなスケールの大きさが魅力だ。終盤のダイナミックな盛り上がりは圧巻。
08REMIND ME
小気味よいテンポで進行する16ビートのクラブ・ミュージック。ヴォーカル入りのエレクトロニカ・ポップ・チューンで、あっさりとしたライトな感覚が耳に心地良い。無機質なビートをウェットに響かせる手腕は彼らならではのもの。随所にきめ細かなサンプリングが施されており、聴くたびに新たな発見があるところがミソ。
09SHE'S SO
シンセの波の上をすべるムーディなテナー・サックスのフレーズで始まる、スローなエレクトロニカ・チューン。彼らの特徴ともいえる、クールなスタンスで温かみのあるサンプリングを施すスタイルが如実に現れたトラック。サックスの音はリバーブに包まれ、シンセは激しく上下するピッチベントで処理されたフレーズを繰り返す。静かでアンニュイな北欧の夜の調べ。
1040 YEARS BACK / COME
謎めいた美しさを持つ2部構成のエレクトロニカ。レトロな響きを持つエレ・ポップ調のユーモラスなフレーズに始まり、やがてシンセの光の渦が導く先に、SF的な映像美を感じさせるスケールの大きな音像が立ち現れる。静かなテーマにのせてドラマティックに変化するサウンドが特徴。不安と恍惚の双方の残像が残る摩訶不思議な味わい。
[Disc 2]
01DON'T GO
02POOR LENO
03POOR LENO
04REMIND ME
05EPLE
06EPLE
07EPLE
08SPARKS
09SPARKS
仕様
※〈CDエクストラ〉Video:プア・レノリマインド・ミーEple