ミニ・レビュー
地域性に縛られない普遍性と、出身地である沖縄らしさが絶妙のバランスで共存するサード・アルバム。ふたりが本当に気持ちよさそうに歌っているのが、この作品の充実度をなにより雄弁に物語っている。タイトルはそれぞれが青春時代を過ごした溜まり場を組み合わせた造語。
ガイドコメント
2007年2月発表の3rdアルバム。底抜けに明るいポップ・ソング「BRAND NEW WORLD」やノスタルジックなディスコ風ナンバー「はじまる」などを収録。美しいメロディと甘いヴォーカルが醸し出す、独特の“手作り感”が魅力だ。
収録曲
01お花見して〜な
アルバム『三横一村』のオープニングは、レゲエ調で展開されるほのぼのとしたミディアム・テンポのナンバー。花見が待ち遠しくて仕方がない、日本人に生まれてよかったとストレートに歌う、幸せな気持ちにさせてくれる曲。春にピッタリだ。
023rd time's luck
恋愛より仕事が大事と言われ別れた元彼女が新しい彼といる場面を目撃した男や、仕事に失敗して怒鳴られ落ち込んでいる人に対して、二度目で諦めるな、“三度目の幸運”があるさ、と励ます。聴いていると勇気がもらえるナンバーだ。
03はじまる
7thシングルは、グルーヴ感いっぱいのメロディに乗せて恋の始まりを歌ったダンス・チューンだ。サビで歌われる「始まるこの恋は……」のフレーズは、伸びやかでハーモニーも美しく、熱く心に響いてくる。TBS系『王様のブランチ』エンディング曲。
04Forever Friends (album mix)
3年間という月日を振り返り、新たな旅立ちと再会の約束をする卒業ソング。柔らかでゆったりしたテンポと温かく優しげなふたりの歌声が、背中をポンと叩いてくれるかのよう。友情を歌ったミディアム・ナンバーだ。
05願晴れ
YASU作詞・作曲のスロー・チューン。カリプソのバラードは夏を思わせ、美しいヴォーカリゼーションが心に染みる。タイトルは、YASUがメールで「頑張れ」と打とうとして「願晴れ」と変換されたことからつけられたとそう。
06裸の王様
周りからは付き合っているように見えていたのに、そう思っていたのは周りと自分だけだった……という、ちょっ切ないアップ・テンポのナンバー。彼女は実は猫をかぶった小悪魔だったと気づいても好きで仕方がないという、男の心情を遊び心たっぷりに綴っている。
07No work、No holiday
“ニート”に向けたミディアム・ナンバー。働いたからこそ味わえる「休日」「給料日」というご褒美。今の自分に物足りなさを感じたり、「本当の自分」を見つけたいと思っている人へ、そこから飛び出そうと歌うD-51流のメッセージ・ソングだ。
08ラストシーン (album mix)
冒頭で鳴らされる鐘の音が印象的なミディアム・ナンバー。舞台は卒業式。両想いが叶わなかった大好きな人との別れ。最初で最後のツーショット写真を撮りながら彼女のこれからの幸せを願う……という内容に、切なくて胸がキュンとなる。
09BRAND NEW WORLD
10Stay with me (acoustic live recording)
同曲のアコースティック・ライヴ音源。隣にいる彼女への素直なラブ・ソングとも取れるが、「Stay with me(僕と一緒にいて)」という言葉から、プロポーズとも思える。しっとりとしたアコースティックの音色が、メッセージをより心の奥にジンと響かせる。
11HOPEFUL DAYS (acoustic live recording)
同曲のアコースティック・ライヴ音源。ピアノを中心としたシンプルなサウンドにより、彼らの声が引き立って、優しげな印象を与える。不安や悲しみから抜け出せない時は胸を張って前に進んでいこう、と歌うメッセージ・ソングだ。