ミニ・レビュー
ベルカントの王者フローレスが満を持して録音した初のモーツァルト。流麗な声を幾分抑え気味に端正に綴られた歌唱はナイーブで実にスタイリッシュだ。どのアリアもまるで持ち役のように手中に収めた完璧な歌唱を繰り広げる。至高の芸術として絶賛したい。★
ガイドコメント
今をときめくテノール、フローレスのソニー・クラシカル移籍第1弾。初期の「牧人の王」から最後の「皇帝ティートの慈悲」まで、7つのオペラのアリアとコンサート・アリアなどを収めたフローレスの魅力全開の一枚となった。
収録曲
モーツァルト:
01歌劇「イドメネーオ」K.366〜アリア「海の外にも、わしの胸の中にもうひとつの海があり」 (第2幕、第12曲a)
02歌劇「魔笛」K.620〜アリア「この肖像は魔法のように美しく」 (第1幕、第3曲)
03歌劇「牧人の王」K.208〜アリア「太陽に面と向かって、雲は時折こうしてひろがり」 (第1幕、第4曲)
04歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527〜アリア「わが宝をその間慰めに行って下さい」 (第2幕、第21曲)
05歌劇「皇帝ティートの慈悲」K.621〜アリア「比類この上ない玉座の唯一の果実がこれなのだ」 (第1幕、第6曲)
06歌劇「皇帝ティートの慈悲」K.621〜アリア「皇帝の主権にとって、親しい神々よ」 (第2幕、第20曲)
07歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」K.588〜アリア「いとしい人の愛にあふれた吐息は」 (第1幕、第17曲)
08歌劇「後宮からの誘拐」K.384〜アリア「私はお前の強さを頼み」 (第3幕、第17曲)
09歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527〜アリア「あのひとの安らぎが僕の安らぎ」 (第1幕、第10曲)
10レチタティーヴォとアリア「あわれ!夢かうつつか?〜あたりに吹きかうそよ風よ」K.431 (425b)
演奏
フアン・ディエゴ・フローレス(T) リッカルド・ミナーシ指揮 チューリヒ歌劇場ラ・シンティッラ管弦楽団