ミニ・レビュー
19年間の活動にピリオドを打った彼らのベスト・アルバム。ストレートなビートに乗る何かを訴える様な尖った歌は、当時、若者たちを魅了させた。ハイ・テンポな曲ばかりではなく、ミディアム・スローな(13)も聴きごたえがあるのは彼ならではといった感じ。
収録曲
01FREE memories of symphony
森純太(g)の作曲による1分半余りのインスト・ナンバー。アコギのコード弾きをバックにエレキ・ギターが主旋律を奏で、次第にオーケストラ・サウンドが加わっていく。ベスト・アルバム『マイ・ジェネレーション』の幕開けに相応しい雄大な印象の1曲。
02MY GENERATION
青春真っ盛りな歌詞と宮田和弥のパンチの効いたヴォーカル、「ウォー」を連呼するサビなどが特徴的な、前向きパンク・ロック・チューン。175Rなど多くのアーティストにもカヴァーされた、青春ソングの代名詞的な名曲だ。
03すてきな夜空
88年発表の1stシングル曲。バラード調から一気にタテノリのリズムに展開するイントロや単純明解なメロディ、ラフなバック・コーラスなどが特色。AiやPANGほか、多くのアーティストがカヴァーしたことでも有名なナンバーだ。
04いつもここにいるよ
軽快な8ビート・ロック。オーディエンスの大合唱を前提にしたようなキャッチーなサビなど、ライヴ映えのする1曲。粋なカッティングからはじまり多彩なフレーズを披露するギター・ソロは聴き応えあり。
05風見鶏
ミディアム・テンポのポップ・ロック・チューン。“勇気と君を僕は信じる”と高らかに歌い上げる、ジュンスカらしいまっすぐで熱いナンバー。粘度の高い宮田和弥のヴォーカルとシンプルなメロディを繰り返すサビが印象的だ。
06言葉につまる
インディ時代のアルバム『J(S)W』の再発盤に収録されたナンバー。決して上手いとはいえないヴォーカルだが、その微妙なハスキー具合とナヨナヨとした歌いまわしが逆に味わいとなり、恋人に別れを告げる痛々しい男心を描いた詞と絶妙にマッチしている。
07カギは誰が…
インディ時代のナンバー。ノリの良いいわゆる“ビート・パンク”で、シンプルなフレーズの繰り返しと「ウォー」という合唱で乗り切ってしまうサビが実に初期のジュンスカらしい。短いが勢いのあるギター・ソロも好印象。
08だから自由はここにある
軽快なハード・ロック・ナンバー。ヘヴィなキメ・フレーズやパンチの効いた太いヴォーカル、初期ジュンスカらしい「ウォー」というバック・コーラス、メタル風のメロディアスなギター・ソロなど、聴きどころが満載だ。
09歩いていこう
3rdアルバムのタイトルにもなった初期のヒット曲。聴き手を勇気づける極めてポジティヴな歌詞とバック・コーラスを交えたキャッチーなサビなどが魅力。“青春パンク”の元祖ともいえる初期ジュンスカらしい1曲。
10明日が来なくても
2ndアルバムのオープニングを飾る軽快なロック・ナンバー。バラード調のイントロやカッティング・ギターが際立つパンキッシュなグルーヴが特徴的。曲調は軽快だが、シリアスに自分の今を見つめる深い詞とのギャップもまた魅力的だ。
11声がなくなるまで
ハモリのコーラスが美しいサビや間奏の爽やかなアコギが印象的なミディアム・バラード。包容力のある愛の言葉をありったけの愛を込めて歌いあげる宮田のヴォーカルが胸に響く。ジュンスカの曲の中でも特にファンに人気の高いナンバーだ。
12PARADE
寺岡呼人(b)が作詞と作曲を手掛けたシャッフル基調のロック・ナンバー。青春の思い出とポジティヴな未来観を若干ファンタジックに綴った歌詞が特徴的。ディレイを強調した宮田和弥のヴォーカルも強く印象に残る。
13さらば愛しき危険たちよ
後期エピック・ソニー時代の人気曲。スケールの大きいミディアム・スローのロック・バラードで、バラエティに富んだサウンドや宮田和弥の表情豊かなヴォーカルなど、バンドとしての着実な成長がうかがえる1曲。
14START
4枚目のシングルとしてリリースされた軽快な8ビート・ロック。一部コード進行にヒネリを利かせたり、エンディングを長めにするなど、なにげないこだわりを感じさせる。ジュンスカの代表的なナンバーのひとつ。
15Let's Go ヒバリヒルズ
“ひばりが丘”をモチーフにした御当地ソング。“立ち読み”や“お好み焼き”などが登場する他愛のない歌詞を大マジメに歌い上げるロックンロール・ナンバー。盛大なイントロから楽しげなサビまで、トコトンにぎやかだ。
16JACK&BETTY
2分強を瞬く間に駆け抜けるハイ・テンションなファスト・パンク。ジャカジャカとかき鳴らすギターや疾走するドラムなど、いわゆる“ビート・パンク”を象徴するような1曲。サビのメロディもキャッチーだ。
17HEAVY DRINKER
酒飲みをモチーフにしたロックンロール・ナンバーのライヴ音源。随所に“野音”や“日比谷”をちりばめた即興的な歌詞やゴキゲンなギター・ソロ、オーディエンスと大合唱する“ビール片手に未成年〜”など、聴きどころ満載。
18HAPPY BIRTHDAY...MOON
エピック・ソニー移籍第1弾アルバム『DAYS』に収録の軽快なハード・ロック・チューン。初期の勢いあふれるアンサンブルやキャッチーなメロディを残しつつ、タイトで洗練されたサウンドに仕上げた完成度の高い1曲。
19全部このままで
88年発表のメジャー・デビュー・ミニ・アルバムのタイトル曲。タテノリの軽快な8ビートや若者の熱い思いを綴った歌詞、シンプルかつキャッチーなメロディなど、“ビート・パンク”と呼ばれたジュンスカの魅力が満載。