ミニ・レビュー
リリイ・シュシュ名義での作品やBank Bandとの活動でも知られる女性シンガーの8枚目となるシングル。前シングルに続き、作詞には一青窈を迎えて(作曲はもちろん小林武史)スケールの大きな楽曲に仕上げられ、彼女の“声”の魅力を堪能できる。
ガイドコメント
その伸びやかで艶のある歌声は、時に激しく、時に雄々しく楽曲の核心部を歌い上げる。Salyuならではの優しさと狂気を兼ね備えた孤高のシングル。一青窈が手がけた切ない歌詞が女性の共感を呼ぶ。
収録曲
01name
“名前”をモチーフにした詞を一青窈が、曲を小林武史が、それぞれ手掛けた作品。Salyuの強烈な個性があふれていて、ドラムが導くプリミティヴな空気感と心の中から宇宙の果てまで飛んでいってしまうようなスケール感が魅力だ。
02双曲線
どんなに悲しいことも、いつかはみんな、どこか遠くへ運ばれていく。希望とも諦念とも感じ取れるリリックを、アコースティックな手触りのサウンドによって描き出すオーガニック・ロック・チューン。ストリングス・アレンジも高品質だ。
03Something
ジョージ・ハリスンによる名曲のカヴァーをライヴ・ヴァージョンで収録。原曲が持つ不思議な浮遊感、トリップ感をしっかり残しながら、ヒリヒリとした生命力を感じさせるヴォーカルが素晴らしい。簡素なアレンジも正解。