ガイドコメント
ファンク色の色濃い仕上がりに新たな魅力が感じられる2ndアルバム。スライ&ザ・ファミリー・ストーンなどでおなじみのラリー・グラハムが参加のナンバー「ENDLICHERI☆ENDLICHERI2」も収録。
収録曲
[Disc 1]
01ENDLICHERI☆ENDLICHERI2
不穏な電子音から、カウントダウンを皮切りに激しいビートへと変化する本格派ファンク・サウンド。後半は突き上げるように情熱的なギターを投入し、さらにエモーショナルな展開に。スラップ・ベースの生みの親、ラリー・グラハムがベース&ヴォイスで参加。
02White DRAGON
ハード・ロック風のギター・ソロからハイハットで一転、ハモンド・オルガンとドラムがファンキーな60年代の世界へとトリップさせてくれる。テクニカルなサウンドだが、サビがキャッチーで、ファンク初心者でも親しみやすい曲調だ。
03傷の上には赤いBLOOD
「自傷行為によって、生きていることを確認する人たち」という重い題材を扱っているが、「いいんじゃない?」という軽い口調、サンバ風の奇妙に明るい曲調でポップに仕上げている。ラストの“流し”の一節のようなギターまで、随所にこだわりが感じられる。
04Sparkling (album version)
3rdシングル「空が泣くから」のカップリングとなったインスト曲のアルバム版。クラヴィネットの小粋なループを軸に徐々にギターやトランペットが入り、ファンキーで洗練された世界へと形作っていく。シングル版にはなかった“続き”までしっかり収録。
05FISH DANCE
アグレッシヴに鳴り響くトランペットのループに、少し巻き舌のヴォーカルとグワンと歪んだギターが絡み、独特のファンキーな世界を作り上げている。生きることの苦しみに悶えるさまを、“FISH DANCE”にたとえた歌詞が自嘲的で美しい。
06DARLIN'
ドラムの上から重なるように、タンバリンで刻まれたディスコ調のリズムと60年代を意識したようなコーラスが歌謡風な一曲。女性の言葉で書かれた官能的な歌詞を、ファルセット・ヴォイスやフェイクを駆使して中性的かつセクシーに歌っている。
07宇宙の雨はね 二人で
雨の日の静けさを思わせる、沈むようなベース音をメインにしたミディアム・テンポのラブ・バラード。ホーンやギターなどのアレンジがファンク・テイストを感じさせるが、全編、湿気を感じる日本的な印象だ。壊れものを扱うような丁寧なヴォーカルも甘美。
08NARA
宇宙空間を思わせる音の断片を繋ぎ合わせたような不思議なサウンドを背景に、アルバム『Neo Africa〜』全体を通した哲学ともいうべき詩を朗読する、「空が泣くから」のイントロダクション的トラック。「人のままで終わるな」との意味深長な一言にあなたは何を思う?
09空が泣くから
多種多様な楽器を用いて層の厚いメロディを構築した、実験的要素の強いアンビヴァレンスなロック・チューン。オリエンタル&エキゾティックなストリングス・アレンジが楽曲世界を盛り上げ、アーティストの主観が見事に反映されている。
10脳
「脳」という一見奇妙なタイトルも、曲を聴けば納得。「の」で韻を踏んだ詞は英語の「know」とも取れ、多義な解釈を生むだろう。高らかに鳴り響くホーンとドラムの叩き出すディスコ・ビートに、飛び跳ねるようなハモンド・オルガンがファンキー。
11Take U 2 The Rainbow Star
粘りつくように伸びのある声を存分に生かした、英詞のファンク・チューン。テクニカルなギターにはロックの雰囲気も感じる。「to」を「2」、「for」を「4」と表記するなど、海外アーティストの影響を感じる遊び心のあるリリックをソウルフルに歌い上げている。
12Rainbow wing
60年代のムード歌謡を思わせるレトロなサウンド。懐かしい雰囲気を出すためか、わざとエコーを効かせてあるのも面白い。「愛の蟻地獄」という大げさなフレーズを繰り出し、徹底した歌謡路線を貫いているのがかえって新鮮だ。
13The Voice of Heart
ENDLICHERI☆ENDLICHERIの弾くタメのあるディストーションを効かせたギターは、まるで歌っているかのよう。さまざまな表情で繰り返されるループを中心に、ファンク調の歪んだギターが脇を固める、へヴィで骨太な男らしいインストゥルメンタルだ。
[Disc 2]〈DVD〉
01空が泣くから (MUSIC CLIP)
02空が泣くから (MUSIC CLIP-No Edit version)