ミニ・レビュー
アンディ・スターマーの作曲とプロデュースにより、色彩豊かなパワー・ポップ作品に。“味”の脱力感は保ったまま、ハーモニーまで絡んで魅力度増大。やはり元ネタ豊富で、特に“ラジオ・スター”な(2)に大笑いするも、どんな曲も歌が入るとPUFFYになる。万人向けの傑作!
ガイドコメント
前作『SPIKE』以来、2年2ヵ月ぶりのオリジナル・アルバムは、今までのPUFFYとは一味違った大人な? 魅力にあふれた注目作。プロデュースは、名付け親でもあるAndy Sturmer。
収録曲
01赤いブランコ
いかにもアンディ・スターマーらしい、ジェリーフィッシュの作品にも通じるキャッチーな要素を完備したパワー・ポップ・ナンバー。変わらない二人のヴォーカルはそのままに、軽快なロックンロールを聴かせてくれる。
02東京ナイツ
世界中でカヴァーされている名曲、The Bugglesの「ラジオスターの悲劇」を元ネタにした、色彩豊かなエレ・ポップ。「甘栗」なんていうワードも飛び出す、ピエール瀧が手掛けたリリックにも要注目のナンバー。
03Angel of Love
ゆったりとしたメロディ・ライン、軽妙なホーン・アレンジ、ビーチ・ボーイズばりの清冽なコーラス・ワーク。どれをとっても一級品。アルバム『NICE.』のプロデューサーを務めたアンディー・スターマーの卓越したポップ・センスも光るナンバー。
04さようなら
真心ブラザーズのYO-KINGによる眩しいくらいにストレートな歌詞も、PUFFYの手にかかればどこか脱力したユルい仕上がりに。人生の新たなスタート・ラインに立つすべての人へ捧げられた、PUFFYからの応援歌。
05invisible tomorrow
映画『スクービー・ドゥー2 モンスターパニック』のエンディング・テーマに起用された、キャッチーなパワー・ポップ。アップ・テンポなビートに思わず前のめりしそうになる、突き抜けた爽快感が印象的な一曲。
06サンキュー
「亜美ちゃん派? 由美ちゃん派?」という会話は、意外と誰しもが交わしたことがあるであろうありふれたテーマだ。吉村由美自らが作詞を手掛けたナンバーは、シンプルながら優しさに満ちあふれた、由美ちゃん派必聴の一曲。
07LONG BEACH NIGHTMARE
アルバム『NICE.』の収録曲「サンキュー」が“由美ちゃん派”にとっての必聴曲ならば、こちらは亜美ちゃん派にとっての必聴曲。突拍子もないタイトルながらも、キュートなリリックが満ちあふれた、大貫亜美作詞によるナンバー。
08Your love is a drug
プロデューサーのアンディー・スターマー自らが作詞・作曲を担当した、全編英詞で歌われるロック・チューン。女性デュオSHAMPOOを彷彿とさせる、世界マーケットにTシャツ&ジーンズ姿で挑んだ勝負曲。
09K2G〜キミにGO!〜
スチャ、スチャという裏打ちのリズムが脳の快感中枢を刺激しまくる、ゴキゲンなスカ・ナンバー。どんなジャンルをやってもポピュラー・ミュージックとして成立させてしまうのがPUFFY流だ。JR九州のCMタイアップ曲。
10しあわせ
アコースティック・ギターの優しい音色と心の琴線に触れる普遍的なメロディになすすべもなくやられる。聴けば誰しもがしあわせな気分になれる、ミドル・テンポのポップ・チューン。PUFFYのゴッドファーザー、奥田民生が作詞を担当。
11あたらしい日々
名付け親である元ジェリー・フィッシュのアンディ・スターマーがプロデュースしたパワー・ポップ・ナンバー。キャッチーなメロディはシンプルで覚えやすく、ライヴ映えする。その後の脱・民生路線を物語るターニング・ポイントとなった一曲。
12ともだち
「あたし達がその昔今よりもっと若かった頃」……。アルバム『NICE.』のラストを飾るのは、デビュー前から“ともだち”同士だったという大貫亜美と吉村由美が、自分たちの「今まで」と「これから」を歌詞に託した美しい友情ソング。