ガイドコメント
信近エリの1stアルバム。プロデューサーの大沢伸一(MONDO GROSSO)と、作詞家、シンガー、パフォーマーとして着実に成長してきた信近エリによる、音楽を作る魂と歌を歌う魂のセッションの軌跡が堪能できる。
収録曲
01Forest of Dreams (Intro)
アルバム『nobuchikaeri』のオープニングを飾る、エレクトリック・ピアノのみのシンプルなトラック。エリック・サティにインスパイアされたような、浮遊感と気品の漂うクラシカルなインストゥルメンタルで、この後の展開を期待させるイントロダクションだ。
02Lights
大沢伸一がその声に惚れ込みプロデュースを手掛けた、天性のヴォーカリストのデビュー作。打ち込みにピアノ、ストリングスといった生音が融合、静と動のコントラストを見事に描く。ダンス・ミュージックの新しい形がここにはある。
03SING A SONG
作詞をROSSOのチバユウスケが、作曲を大沢伸一が担当したダンス・チューン。洗練された信近エリのヴォーカルによって、「エレクトロニカとJ-POPの融合」という大沢伸一が目指す方向性がより鮮明に表現されている。
04Sketch for Summer
夏の情景、心の動きを描いたラブ・バラード。2nd「Voice」までのダンス・チューンとは一転、王道ともいえるノスタルジックなアレンジに。そのメロウな雰囲気が、ヴォーカリストしての彼女の声を全面に押し出した3rdシングル。
05靴を鳴らそう
信近エリ自身が作詞を担当した、ギターのアルペジオが美しいミディアム・チューン。クールで洗練されたヴォーカルだが、“情熱の種を探しに行こう”と歌うくだりでは、内に秘められた強い希望のようなものが感じられる。
06Inner Glow
MONDAY満ちるが綴った英語詞を、滑らかで情熱的なヴォーカルで歌い上げるミディアム・ナンバー。「ダンスと日本語の融合」、という大沢伸一の指向する音楽的な方向性が、最も明確に表われている曲の一つ。
07I hear the music in my soul
フロアでの熱気を真空パックしたかのようにエキサイティングに展開する、必殺のハウス・トラック。タイトルをリピートする彼女のヴォーカルは、サウンドに真っ向から挑み、開放感に満ちあふれている。
08Voice
スパニッシュ・ギターが切なさを携えて流れ出す。イントロを聴いただけで胸をグッと締めつけられる、美メロ泣きメロダンス・チューン。感情昂ぶる熱の帯びたヴォーカル、ドラマティックなコーラス(前作に続き有坂美香参加)は圧巻。
09鼓動
1stアルバム『nobuchikaeri』のリード・シングルとしてリリースされた4作目。ピアノの音で静かに幕を開け、次第に躍動感のあるホーン・セクションの音が加わるグルーヴィな展開。スケール感のある革新的バラード。
10Desert of Dreams (Interlude)
NTTドコモのCM曲に使用された「鼓動」と、それに続く壮大なバラード「夢のかけら」を繋ぐ、アルバム『nobuchikaeri』の中でも重要な位置を占めるインタールード。強めの打ち込みとゆったりしたメロディが、アルバムの一貫性を美しく継続させている。
11夢のかけら
アラビア風を想わせる調べが醸し出す不思議な音が差し込まれた、気が静まるようなリズム・トラック。タイトル通り、夢うつつの幻想的なサウンドが、リスナーをトランス状態へと誘っていくようだ。
12陽だまり
デビュー・アルバム『nobuchikaeri』のクロージング・ナンバー。掻き鳴らされるアコースティック・ギターの音色と時折ファルセットを効かせるヴォーカルが、聴き手の気持ちを優しくほぐしてくれる癒し系の曲。