マンドゥ・ディアオ / オード・トゥ・オクラシー

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マンドゥ・ディアオ / オード・トゥ・オクラシー
CD
ミニ・レビュー
日本で人気のスウェディッシュ・バンドの、初セルフ・プロデュースによる3作目。疾走感あふれるパンキッシュな60年代風ビート・チューンからフォーキーな佳曲、ソフトなポップ・ソングまで、バラエティに富んだ楽曲とメリハリの利いたアレンジに著しい成長の跡が窺える。
ガイドコメント
スウェーデン出身5人組ロック・バンドの3rdアルバム。デビュー作のラフな雰囲気と2ndのクオリティの高さを引き継いだ力作。本作からサポートだったマッツ・ビョーク(キーボード)が正式メンバーに。
ニュース
チャート
  • TOWER RECORDS 渋谷 アルバム総合
    7位 (2006/8/7)  ⇒  14位 (8/14)  ⇒  32位 (8/21)  ⇒  30位 (8/28)
  • TOWER RECORDS 新宿 アルバム総合
    8位 (2006/8/7)  ⇒  15位 (8/14)  ⇒  17位 (8/21)
  • TOWER RECORDS 札幌 アルバム総合
    9位 (2006/8/7)
  • TOWER RECORDS 名古屋 アルバム総合
    8位 (2006/8/7)  ⇒  10位 (8/14)
  • TOWER RECORDS 大阪 アルバム総合
    1位 (2006/8/7)
  • TOWER RECORDS ロック&ポップス アルバム
    3位 (2006/8/7)  ⇒  6位 (8/14)  ⇒  10位 (8/21)  ⇒  11位 (8/28)
収録曲
01WELCOME HOME, LUC ROBITAILLE
人気アイスホッケー選手、ルク・ロバタイユの名を冠したロックンロール・ナンバーで、大人と子供の狭間で揺れる青い感情が描かれている。勢いまかせで終わらない、テンションをコントロールしながらの演奏に成長の跡がみられる。
02KILLER KACZYNSKI
自分はテロリストだと言い張る男に触発されて書かれた曲で、タイトルの“カジンスキー”とは、実在する爆弾魔“ユナボマー”の本名。急き立てるような勢いのガレージ・ロック・ナンバーで、全編ラティーノな曲調が特徴的だ。
03LONG BEFORE ROCK'N'ROLL
積極的な女と、消極的な男の関係を歌った曲。得意の無国籍感覚豊かなガレージ・パンク調だが、どこかフォーキーで郷愁を誘う終盤の急展開が新鮮。ミキシングはかつてオアシスを手がけたオーウェン・モリスが担当している。
04THE WILDFIRE (IF IT WAS TRUE)
スタジオ・ライヴ録音による開放的なポップ・ナンバー。走り続ける電車のようなサウンドを目指したという曲調は、なるほど停滞感皆無でなめらか。しかし、世の電車好きからは、「いや、電車とはですね」と指摘されそうだが。
05YOU DON'T UNDERSTAND ME
付き合い始めたばかりの恋人に、遊び人だと誤解されていることに気づいた男を主人公にしたポップ・ソング。彼女への想いが募るのに合わせ、ポップな曲調も少しずつ高揚。恋する毎日を送る幸せ者すべてに捧げる好曲だ。
06TONY ZOULIAS (LUSTFUL LIFE)
死ぬ方法も、偽りの人生を送る方法も600万通りあると歌うナンバー。人生の光と影を描いた哀切な歌詞が、ラテン調のメロディによりドラマ性を増幅している。キャッチーなギター・リフなど、日本人好みしそうな展開が多いのも魅力だ。
07AMSTERDAM
60'sバンド“ブローグス”の名曲「I Ain't No Miracle Worker」を改変したようなメロディに、無国籍サーフ・サウンドを絡めた傑作ガレージ・パンク・ナンバー。神様に電話した男の独白で構成する物語風の歌詞も面白い。
08TV & ME
退屈な気分を描いた歌詞そのままに、乗り切れないムードでスタート。ところがサビを迎えるあたりから、やけにアゲアゲな展開を見せ始めるから面白い。その味わいには、どこか日本のアイドル歌謡にも通じるわびさびが。
09JOSEPHINE
ロンドンで出逢った薬物中毒の女性を歌った曲。彼女の症状がもはや生きていることさえ不思議なほど重いことを、過度にウェットになることなく淡々とした曲調で描写。ラストのハイハットの一打に無常さが集約されている。
10THE NEW BOY
青春映画『純愛日記』(1970年)に触発された純愛バラード。元サウンドトラック・オブ・アワー・ライヴスの才人、ビヨルン・オルソンが編曲した伸びやかなストリングスが映える、ゆったりとエモーショナルな美メロ・ナンバー。
11MORNING PAPER DIRT
スモール・フェイセズやジャムを連想させる疾走感あるモッド・ナンバー。デビュー間もない頃の同系統曲に比べれば、作風もかなり板についており、ビートの力強さも段違い。晴れてモッズの仲間入りだ。
12GOOD MORNING, HERR HORST
ふとした事故でホームレスと知り合ったことから誕生した、ホームレスの視点による人生哀歌。スウェーデン出身の彼らが、カントリーともウェスタンともロシア民謡とも言い難い国籍不明の曲調に合わせ、架空の人生を回顧する。
13SONG FOR ABERDEEN
彼らと同じくビートルズをルーツに持つヒップホップ・ユニット“アウトキャスト”「ヘイ・ヤ!」への返答でもある曲。ライヴ感ある陽性の曲調はまさしく同系統で、彼らなりに再構築したモータウン・サウンドが楽しめる。
14OCHRASY
ビヨルンが力強く歌い上げるアコースティック・ナンバーで、タイトルは彼が創造した理想郷の名前。テレビで見る戦争に怒りを覚え、理想郷では兵士も無力だとする歌詞に、非現実な現実に対する複雑な感情が刻まれている。
15THIS IS THE MODERN
ザ・ジャムの作品名を連想させるタイトルどおり、曲調にもジャムの楽曲の要素を集合させたような節があるビート・ナンバー。非生産的で消費的なライフ・スタイルを皮肉っぽく描写した、いまどきのモッド・ナンバーだ。
16CHET BAKER
鳥のさえずりを被せた弾き語りによるアコースティック・ナンバー。名トランペッターのチェット・ベイカーが君のために吹いてくれるから元気を出せと、彼女にフラれた友人を励ます歌詞。が、曲中でトランペットは鳴らない。
(15)(16)ボーナストラック
仕様
CDエクストラ内容:ロング・ビフォア・ロックン・ロールHDCD
封入特典
  • 歌詞・対訳・解説
アーティスト
  • マンドゥ・ディアオ
    スウェーデン・ボーレンゲ出身のロック・バンド。ビョルン・ディクスクウォット(g,vo)を中心に結成され、2002年に『ブリング・エム・イン』でアルバム・デビュー。続く『ハリケーン・バー』『オード・トゥ・オクラシー』と連続してドイツでゴールド……
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