ガイドコメント
常に進化するロックを創造し続けるブンブンサテライツの最強にして最高のロック・アルバム。世界にその実力を認めさせたバンドならではの勢いとクオリティの高いサウンドは必聴だ。
収録曲
01Kick It Out
「ロックに王者なんかいらない」と権威主義に対して唾を吐く歌詞が印象的で痛快な、ブンブンサテライツ流ロックンロール。細かく刻んだヴォーカル・トラックとラウドなエレクトリック・ギターの絡みが最高にクール!
029 Doors Empire
ディストーションを掛けて歪ませたベース・ラインが印象的なデジタル・ロック。歌詞そのままにどこまでも上り詰める高揚感が圧倒的。生ドラムに細かい編集を加えたりと、勢い任せでは終わらない凝ったサウンド・メイクにも注目だ。
03Girl
少しハネ気味の8ビートに乗せて「そろそろパーティの時間だ」とリスナーに呼びかけるパーティ・ソング。キーボードのウォール・オブ・サウンドの中で川島道行が、キャッチーなメロディ・ラインを歌い上げる。
04id
アヴァンギャルドなビートの中に突然静かなヴォーカル・パートが挿入されたりと、さながら脳内のフラッシュ・バックを音像化したかのような激しい展開を持つ、彼らの懐の深さを知ることができるダンス・ナンバー。
05Play
ディレイを大々的に使用して大きな広がりのある音空間を作り出したメロディック・チューン。手数の多い生ドラムを活かした、ブンブンサテライツ流ドラムンベースといった趣きもあり。ダブのエッセンスを巧みに導入している。
06She's So High
ゆったりとしたエレクトリック・ギターのコード・ストロークをイントロに、酩酊感漂う音世界へと誘われるサイケデリック・チューン。ソウルフルな女性コーラスが良い隠し味となり、まるでゴスペルのような“覚醒”すら感じさせる。
07Pill
疾走感あふれる16ビートに乗せてニューウェイヴ風なギター・リフが激しく奏でられるロック・チューン。要所でシャウトを交える川島道行の熱いヴォーカルに、いやがうえにもテンションが上がってしまう。
08Generator
ミュンヘン・サウンド風な16ビートのシンセ・ベースが印象的なダンス・トラック。ガツガツとしたギターのカッティングを被せて単なるフロア仕様では終わらせないあたりが、ライヴ・バンドとしても名高い彼らの面目躍如。
09Beat It
ギター1本で弾き語っても成立するしっかりとしたメロディ・ラインにキャッチーなコーラス、そしてニューウェイヴ風な音圧の高いキーボードという、ライヴでオーディエンス受けする要素がたっぷりと詰め込まれたアッパー・チューン。
10Porcupine
11Nothing
ブルース・スプリングスティーンやジョニー・サンダースへのオマージュとも解釈できる歌い出しからしてふるっている、ブンブンサテライツ流パンク・ロック。直線的なビートの勢いを殺さないように仕上げられたシンプルなサウンドだ。
12Loaded
80年代末から90年代前半にかけてのマンチェスター・サウンドを、21世紀仕様にアップデートした意欲作。真夜中の行き場のない感情を表現した、ドラムスのシンバル系の音色を強調した奥行きの深いサウンドが魅力的だ。