ミニ・レビュー
エッジの利いたギターのリフ、パンチの利いたヴォーカル、スパイスの利いた詞世界が炸裂。三人の個性派プロデューサーを迎えた2年ぶり5枚目のアルバムは、ポップななかにも独自の世界感が貫かれ、芯の太さを感じさせる。スキのない仕上がりといえる。
ガイドコメント
GO!GO!7188の通算5作目となるオリジナル・アルバム。リード・シングル「近距離恋愛」も収録。これまで以上に詞、曲、サウンドともにポップでポジティヴな楽曲が揃った会心作だ。
収録曲
[Disc 1]
01近距離恋愛
2006年9月にリリースされた、等身大の恋愛を切なく綴ったラブ・ソング。會田茂一をプロデューサーに迎え、ダウナーなサウンドのイメージから一転して、新生GO!GO!7188を高らかに謳いあげるキャッチーなポップ・チューンに仕上がっている。
02雨上がり アスファルト 新しい靴で
ハネる裏打ちのリズムやエッジの効いたギター・リフが印象的なエモーショナルなトラック。GREAT3の片寄明人による、「ありのままの自分でいようよ」というポジティヴなリリックが、素直に胸を打つ。
03スカ
人間の欲望にキリはなし。スカ調のロック・サウンドにのせて、フェラガモやルイ・ヴィトンといったブランドから、思い出や恋人などお金では買えないモノまで、抑止の効かない“Desire”を歌ったアッパー・チューン。
04シャングリラ
艶やかでムーディ、そしてほのかに薫るエロス。昭和歌謡テイストのけだるいサウンドに、アンニュイなヴォーカルが絶妙に絡んでいく。GO!GO!7188の真骨頂ともいえる、ダウナーなブルージィ・ロック・チューン。
05パレード
アルバム・タイトルが冠せられたトラックは、弾むようなビートが爽快な印象を残すメロディックなナンバー。中盤からのダイナミックかつスリリングな展開に、彼らの確かな音楽的成長が垣間見られるようだ。
06雪が降らない街
シンプルなビートを刻むドラムスとモノトーンなメロディをかき鳴らすギターが印象的なナンバー。ソリッドでタイトな極端に音数を減らしたイントロから、一転して叙情的な展開を見せるサビとの対比が、楽曲のダイナミズムを増幅させている。
07ララバイカウントダウン
男女の哀しい別れから生じるヒリヒリとした痛切さと、そこから前を向いて歩みだす凛としたたくましさ。その両方の感情をしっかりと歌い上げる、ユウのヴォーカリストとしての高いスキルを確認することができるナンバーだ。
08Fatな彼
ディストーションをかけまくったエレキ・ギターの轟音で始まりを告げる、アップ・テンポのナンバー。ジャンク・フードに目がない“Fatな彼氏”について綴った、ノマアキコのユーモアにあふれたリリック・センスが光っている。
09ランランラン
ロックでありながらどこかレトロなメロディが耳をとらえて離さない、和洋折衷チューン。たった一度きりの人生、迷わずに飛び込んでいこうよ……というポジティヴなメッセージが、ドライヴ感のあるビートとともに伝わってくる。
10映画と雨降りの朝
絶望的なほどに矛盾だらけの世界に向かって、汚れなきユウの歌声が力強く響きわたる至高のアンセム・ソング。切なさを醸し出すカッティング・ギターに乗せて、やるせないほどの無常感と一筋の希望が歌われている。
11ひとりたび
アルバム『パレード』のラストを飾るのにふさわしい、スケールの大きなバラード・ナンバー。メンバー曰く「アレンジしていく段階で曲がどんどん変化していった」というサウンドは、最終的にはシンプルでオーソドックスなロック・テイストでまとめられている。
[Disc 2]〈DVD〉
01Fatな彼 (@SHIBUYA-AX 06/4/15)
02プロデューサー対談 (レコーディング・オフショット映像含む)