ガイドコメント
94年発表の3rdアルバム。伝統的ブリティッシュ・ロックを感じさせるポップなメロディと鋭い洞察力の歌詞が受け入れられ大ヒットを記録、国民的バンドとしての地位を確立した。ヒット曲「ガールズ&ボーイズ」を収録。
収録曲
01ガールズ&ボーイズ
02トレイシー・ジャックス
03エンド・オブ・ア・センチュリー
04パークライフ
05バンク・ホリデー
UKパンクの旨味が詰め込まれた、キレのあるビート・ナンバー。タイトルは“祝日”を意味するイギリス独特の俗称で、祝日が少ないイギリス人のせわしない日常を、性急なビートに乗せ歌うことで効果的に表現している。
06バッド・ヘッド
穏やかなギター・サウンドに英国ロックの伝統が息づく柔らかなナンバー。「インフルエンザにかかる以外は何もすることがない」の一節で、英国人の“あきらめ”を表現してのけるセンスは、さすがキンクスの後継者だ。
07ザ・デット・コレクター
08ファー・アウト
アレックス・ジェイムス作の奇妙なナンバー。スペーシーなサウンドに乗せ有名無名とり揃えた天体の呼称を歌い上げる、天文ファン必聴のマニアックな内容。太陽の名を連呼しながら迎えるエンディングも独創的だ。
09トゥ・ジ・エンド
10ロンドン・ラヴズ
11トラブル・イン・ザ・メッセージ・センター
数年後に訪れるニューウェイヴ再評価の波を予見していたかのような、先鋭的なサウンドのソリッドなナンバー。怠惰さ漂う歌詞はホテル滞在中に書かれたもので、『パーク・ライフ』のライナーにその現物が掲載されている。
12クローヴァー・オーヴァー・ドーヴァー
“ドーヴァーの白い崖”の一説が、聴く者を映画『さらば青春の光』のラスト・シーンへと導く切ないナンバー。カモメの鳴き声のSE、ハープシコード、グレアムのアルペジオ・ギターが、楽曲に映像的な魅力を加えている。
13マジック・アメリカ
ところどころで彼らの奇妙なセンスが発揮されているポップ・ナンバー。素直な心で読めばアメリカへの好意的な感情が綴られた歌詞だが、全米ツアーが大失敗に終わった彼らのこと。これはすべて反語なのだろう。
14ジュビリー
15ディス・イズ・ア・ロウ
16ロット105
『パーク・ライフ』で歌われた暮らしの喜怒哀楽を、「どうにかなるさ」と笑い飛ばすような小品。デーモンの弾くオルガンが印象的な曲だが、曲題にはそのオルガンを競り落とした際のオークション番号が使われている。
17ガールズ&ボーイズ (ペット・ショップ・ボーイズ 12インチ・リミックス)