ガイドコメント
前作『Love songs』に続く13thアルバム。フジテレビ系ドラマ『最後から二番目の恋』主題歌として話題の「how beautiful you are」をはじめ、全曲ロンドンで録音。トップ・エンジニアやミュージシャンを起用した意欲作だ。
収録曲
[Disc 1]
01Party queen
13thアルバムのタイトル・ナンバー。独特なテンポ感で下世話なまでにブンブンと鳴るボトムが印象的なアップで、“パーティ・クイーン”の生き様を歌う。“かんぱーい!”のかけ声などひたすらにキラキラとした世界を描くが、聴後感はどこか悲しい。
02NaNaNa
焦燥感を煽るようなサイレンの音で幕を開けるハードなナンバー。オートチューンを駆使したラップ・パートから一気に開ける中盤への展開が秀逸。“今を楽しんで過ごすことより大切なことってなに?”というメッセージを力強く歌い上げる。
03Shake It♥
BOUNCEBACK作曲のダイナミックなダンス・ナンバー。“女の子にしか使えない魔法があるのよ”と勝ち気に宣言するビッチ感の強い歌詞。低音で歌う“O-Lailaila”のフレーズが印象的だ。CMJKの遊び心満載のアレンジも楽しい。
04taskebab
13thアルバム『Party queen』中盤に配されたインストゥルメンタル。tasukuが作/編曲を手がけたロック色の強いナンバーで、エレクトロな味付けもイイ感じ。二つの楽曲を繋げたかのような唐突な展開が楽しい。
05call
the generousのメンバーとしても活躍した大西克巳が作曲を手がけたミディアム・アップのロック・ナンバー。抽象的な歌詞だが、大切な人との別れを描いたかのような表現と内省的なメロディとがうまく作用しあっている。
06Letter
「Call」と同じく大西克巳作曲、tasuku編曲のコンビによるロック・テイストのナンバーだが、ブリティッシュなアプローチが強め。“そっちはどうだい?”とはじまる歌詞はタイトル通り大切な友へ向けた手紙のよう。
07reminds me
ストリングスを上手く用いたドラマティックなサウンドで進むロック調のミディアム・バラード。消し去りたい過去を振り返りつつ、それは忘れちゃいけない痛みなんだと綴る重めの歌詞が心に刺さる。5分半のなかで目まぐるしく展開するアレンジも好印象。
08Return Road
D・A・I作曲、中野雄太編曲による荘厳でドラマティックなミディアム・バラード。運命的に出会ったあなたとの別れを描いているのだが、イントロの教会を思わせるアレンジやタイトルなど、思い切り“離婚”を思わせる内容だ。
09Tell me why
キプロス出身の歌手、イヴィ・アダムーの「Sose Me」をカヴァー。原曲でも印象的なピアノのアルペジオをそのまま活かしたR&B色強めのナンバー。強がらないで私にも悩みや痛みを分けて……悲痛な叫びが響きわたる。
10a cup of tea
13thアルバム『Party queen』後半の幕開けを飾る2分弱のインストゥルメンタル。CMJKが作/編曲を手がけたダブステップ調のナンバーで、オシャレでカラフルな導入からディープな世界へと一気に引っ張る変化に驚かされる。
11the next LOVE
ファンタジー映画のサウンドトラックのような導入から、妖しげで色っぽいジャジィなサウンドへと展開する、アユにとっても新境地ともいえるナンバー。一気にテンポ・アップする中盤やゴージャスなコーラスなど、細かな遊びにニヤリとさせられる。
12Eyes、Smoke、Magic
中野雄太編曲の変化球チューン。目覚まし時計のベルによる幕開けのほか多彩な効果音、チープなサウンドへの唐突な展開やコーラス、ビッグバンド・ジャズ風の大団円……何から何まで思いっきりミュージカル調の楽しいストーリー。
13Serenade in A minor
13thアルバムに収録、ラストの「how beautiful you are」へと繋がるインストゥルメンタル。ストリングスを見事に操ったアンサンブルで、美しくも儚い2分半の物語を構築した中野雄太の手腕が冴える。
14how beautiful you are
フジテレビ系ドラマ『最後から二番目の恋』主題歌、デジタル・ダウンロード・シングルとして発表された美しく壮大なバラード。ピアノと歌の導入からストリングスやコーラスとともにフィナーレへ……という展開は大味ではあるが、さすがの貫禄を見せつける。
[Disc 2]〈DVD〉〈video clip〉
01Shake It♥
02NaNaNa
03Return Road
04how beautiful you are
05Shake It♥
06NaNaNa
07Return Road
08how beautiful you are