ミニ・レビュー
デビュー当時、まさにデジタル・ロックのアイドルだった彼のネチこくてキレのあるヴォーカルは、成田忍のキラキラしたギターとの相性も抜群で、その極上のキャッチー感は次代の歌謡ロックの幕開けを予感させた。今、彼の様式美はGLAYやTMRらに継承された。
収録曲
01アクセル
軽快なエレクトロ・ロック・ナンバー。シンセ・ベースのスクエアな8ビートとメロディアスなサイド・ギターが醸し出す心地良いグルーヴが魅力。Aメロからサビまでのスムーズな流れなど、センスの良い曲構成も光る。
02SPEED
96年9月にリリースされた通算22枚目のシングル曲。タイトル通り、スピード感あふれるキャッチーなロック・ナンバーで、バンドらしいタイトなアンサンブルとハーモニーの美しいツイン・ギターなどが特徴的。
03BOY'S LIFE
化粧品のCMソングにもなったミディアム・ロック。ブラスを伴った温かいサウンドや少年時代を振り返る歌詞などから、吉川晃司の年齢相応の“ゆとり”が感じられる。アルバム・ヴァージョンとはミックスが異なる。
04Rambling Rose
スリリングなイントロで一気に聴き手の心を掴むポップ・ロック・チューン。スピード感あふれるバッキング演奏と随所でハモるヴォーカル・ラインが実に心地良い。94年2月に19枚目のシングルとしてリリースされた。
05ROMANCER
ダンサブルな16ビートのエレクトロ・ポップ・ナンバー。華やかなシンセ・サウンドや耳なじみの良いサビ・メロディなど、シングル曲のようなクオリティの高さが魅力。アルバム『Cloudy Heart』収録曲。
06VENUS〜迷い子の未来
鮮やかなコーラスで始まるハイクオリティなポップ・ロック・ナンバー。主旋律とピアノがユニゾンを奏でるサビ部分やクレッシェンドする女声パッド・サウンドなどが特徴的。93年12月発表の通算18枚目のシングル。
07KISSに撃たれて眠りたい
93年2月にリリースされたデビュー10周年記念シングル。吉川晃司のセクシーなヴォーカルやサビのようにキャッチーなBメロなどが特徴的なポップ・ロック・ナンバー。当時の彼の魅力を凝縮したような1曲で、ファンの間でも人気高い曲のひとつ。
08Brain SUGAR
アルバム『Shyness Overdrive』のオープニングを飾るハード・ロック・チューン。ワイルドな歌詞、ソリッドなリズム、重いギター、明解なサビ・メロディなど、シンプルでわかりやすい仕上がりになっている。
09せつなさを殺せない
COMPLEXを経てのソロ活動復活第2弾シングル曲。洗練されたメロディが際立つ高品位なロック・ナンバー。終盤のコール&レスポンス風の掛け合いなど、ライヴ映えする1曲。そのためかファンの人気も極めて高い。
10終わらないSun Set
11thシングルとして発表された吉川晃司作詞・作曲の高品位なミディアム・スローなポップ・ナンバー。曲全体を覆うバラードにも近い情緒やサビへの心地良い転調、微妙にビブラートをかけたヴォーカルなど、味わいどころの多い人気曲。
11MARILYNE
12Modern Time
シングル曲としては初めて吉川晃司が作詞作曲を手掛けたナンバー。派手さはないが味わいのある好楽曲で、アイドルからアーティスト路線への着実なシフトを印象づけている。映画『テイク・イット・イージー』の主題歌。
13キャンドルの瞳
14RAIN-DANCEがきこえる
85年9月発表の6thシングル曲。強調されたドラムとベースによるファンキーなグルーヴと着実に歌唱力を上げる吉川晃司のヴォーカルが魅力的。パワー・ステーションなど、当時の洋楽の影響を強く感じさせる。
15にくまれそうなNEWフェイス
イカした女性への高ぶる恋心をテーマにしたポップ・ナンバー。絶妙に軽い歌詞、吉川晃司のクセのある節回し、キャッチーな曲調、という3つが見事にフィット。80年代特有の力強い“タテノリ・ビート”が心地良い。
16YOU GOTTA CHANCE 〜ダンスで夏を抱きしめて〜
主演映画第2弾『ユー・ガッタ・チャンス』の主題歌となったヒット・シングル曲。甘えたような歌い方にまだアイドルらしさの残るポップ・チューンで、Bメロからサビへの滑らかな展開やキャッチーなメロディが魅力。
17LA VIE EN ROSE
80年代らしいエフェクティヴなイントロで始まるミディアム・ポップス。ひと夏のアバンチュールのようなシャレた恋心がテーマ。初期のナンバーの中では人気の高い曲のひとつで、2ndアルバムのタイトルにもなった。
18モニカ
初主演映画『すかんぴんウォーク』の主題歌にしてデビュー曲(84年)。ビートの効いたサウンドと、そのビートに乗せることを意識した個性的な歌唱。そこに激しいボディ・アクションが加わり生まれた新型歌謡ロックは、当時一世を風靡した。