ミニ・レビュー
情の振れ幅が大きく性格がくっきり際立つアリアを集め、カサロヴァの声の技術と広汎で豊かな表情をとっぷりと快感しようというCD。魅力の中心はカルメン。ホセを翻弄する濃艶で業の深いキャラクターを深々と強靭な声色でゾクと聴き惚れさせる。情動、濃い。
ガイドコメント
メゾ・ソプラノのヴェッセリーナ・カサロヴァが、7人の女性による情熱的なアリアを取り上げたアルバム。カサロヴァのドラマティックな側面が浮き彫りにされ、彼女の表現力の幅の広さに圧倒される。
収録曲
01歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」〜甘い喜び、甘い責め苦を (チレーア)
02歌劇「トロヴァトーレ」〜炎が燃えて (ヴェルディ)
03歌劇「ドン・カルロ」〜美しいサラセンのお城の庭/ああ、死の贈り物よ (ヴェルディ)
04歌劇「オルレアンの乙女 (ジャンヌ・ダルク)」〜神の欲するままに-森よ、さらば (チャイコフスキー)
05歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」〜お母さんもご存知のように (マスカーニ)
06歌劇「カルメン」〜いつ、あんたを好きになるかって?/ハバネラ「恋ってのは、野性の強い小鳥でね」/セビーリャのとりでの近く/第2幕への間奏曲/振鈴の棒が/やっぱり、あんただった!-あなたのために踊って差し上げましょう (ビゼー)
07歌劇「サムソンとデリラ」〜ダゴンの巫女たちの踊り/春が来れば、恋する心に希望がもえて/あなたの声にわたしの心も開かれて行く (サン=サーンス)
演奏
ヴェッセリーナ・カサロヴァ(MS) ジュリアーノ・カレッラ指揮 ミュンヘン放送管弦楽団 (6)(7)ゾラン・トドロヴィチ(T)