ミニ・レビュー
初のベスト盤。新録が3曲、未発表曲が1曲。代表的な曲がこうして集まると、いずれもジェントルでどこかはかなげな雰囲気を醸し出しているという、彼女の世界を貫く、ひとつの方向が見えてくる感じがする。最後まで聴いても疲れない柔らかい作品集。
ガイドコメント
2004年アテネオリンピック日本代表選手団公式応援ソング「夢がチカラ」など、タイアップ・ソング満載のベスト・アルバム。新録ヴァージョンも収録され、ビギナーだけでなくコアなファンも楽しめる。
収録曲
01The Power of Smile
清涼感のあるピアノから始まるエヴァーグリーンな輝きをもつサウンド、そしてピュアなヴォーカル。シャンプーのCMにも起用されたブライト・チューンで、サビの印象的なフレーズは勇気とパワーを与えてくれる。
02愛のメロディー (original ver.)
深みのあるKOKIAのヴォーカルが最大限に生かされた優しいバラード。長編アニメ『銀色の髪のアギト』のエンディングとして書き下ろした曲のオリジナル版だ。愛する人がいることそのものへの感謝が伝わってくる。
03dandelion
フィーチャーされた二胡の音色が、この楽曲にスケール感を与えている。風に乗って飛んでゆくたんぽぽの綿毛のように、多くの人の心に届くピースフルな想いを映し出した、ゆったりと刻まれるリズムや心地良いメロディ・ラインが秀逸のナンバー。
04幸せの花束
シングル「time to say goodbye」のカップリングで、やわらかなキーボードの音が醸し出すハッピー・ヴァイブスが響く、聴いているだけ笑顔こぼれるハートフル・ポップ・チューン。KOKIAもノリノリでかわいい。
05かわらないこと〜since1976〜
サブタイトルにある1976はKOKIAの生まれた年。ひとり呟くように、愛され支えられていることの感謝を歌うAメロから、拡がりのあるサビへと向かう。伝えたいことがとても明確な、やさしいメロディアスなバラード。
06私の太陽
3rdアルバム『Remember me』に収録されているナンバー。高音部ではファルセットの美しさを充分に発揮し、Cメロでは芯の強さも感じさせる。KOKIAのヴォーカルが、透明感のあるメロディをよりいっそうクリアにしている。
07Remember the kiss〜a wish〜
アルバム『Remember me』では、ピアノのみによるシンプルな弾き語りナンバーだったが、ここではギターやリズム隊が加わり、違った色を見せている。時に熱さを帯びたサウンドを従えて、ヴォーカルの表情はとても豊かだ。
08DESPERADO
イーグルスの名曲のカヴァーで、ライヴでも披露しているナンバー。映画『ホテル ビーナス』のサントラに収録されているが、KOKIAではベスト盤で初CD化。ちょっと懐かしい空気感と憂いがいい感じでミックスされている。
09夢がチカラ/Brave warrior
アテネオリンピック日本代表選手団公式応援ソングをアコースティック・アレンジ。オリジナルでは4人のソリスト(KOKIAコンチェルト)による躍動感あるサウンドが響きわたっていたが、こちらのやさしく励ます感じもいい。
10歌う人
澤近泰輔のピアノがそっと寄り添う4thアルバム『歌がチカラ』収録のスロー・ナンバー。天性のシンガー・ソングライターであるKOKIAが強い意志を持って歌い上げている。映画『ふるさと-JAPAN』のエンディング・テーマ。
11time to say goodbye
切ないバラードなのだが、悲しい別れから前向きに歩き出そうとするリリックが、逆にすがすがしさを感じさせる。翳りのあるAメロから、振り切るような力強さを持ったサビにいたるまで、KOKIAの声はその音を丁寧に紡いでいる。
12調和 oto〜with reflection〜
既発アルバム『trip trip』収録曲。『銀色の髪のアギト』オープニングに起用されるにあたり、再レコーディングされた民族音楽風の祈りの曲だ。自然との共存を願う人々の思いを表す歌詞は、映画の世界観そのまま。
13so much love for you♥
タイトルにハートが付いてるし、恋の予感にワクワクする気持ちをかわいさ(!)を含んだ声でストレートに歌っている。キャッチーなサビのメロディが耳に残り、思わず口ずさんでしまうハッピー・ポップ・チューン。
14I believe〜海の底から〜
KOKIAの声が持つあらゆる要素、透明感であったり、繊細さであったり、あるいは力強さだったり……。それらのすべてを包括し、大きなスケールと説得力を持つナンバー。アルバム『Remember me』収録。
15ありがとう… (the pearl edition)
99年リリースの3rdシングル。KOKIAの香港、台湾での人気を決定づけ、サミー・チェンが広東語でカヴァーしたナンバーのスペシャル・テイク。ピアノとストリングスで構成されるサウンドに、ピュアなヴォーカルが映える。
16The Power of Smile〜a gentle breeze〜
同名のシングル・ナンバーの別ヴァージョン。ボサ・ノヴァ・テイストのアレンジでリラックス・ムード満点、心地良い時間が流れている。ヴォーカルもとても軽やかで、楽しんで歌っている雰囲気が伝わってくる。