ミニ・レビュー
4年前に“リリイ・シュシュ”として世に現れた類稀なヴォーカリストが、“Salyu”としてデビューしてこれが3枚目。小林武史の手になるざっくりモダン・ロックなサウンドと強力にポップなメロディに負けない、圧倒的にパワフルかつキュートな声が輝いてる。
ガイドコメント
2004年6月に「VALON-1」でデビューした女性シンガーによる3rdマキシ。タイトル曲は人間のネガティヴな面とそれからの解放、再生を歌った美しい楽曲。伸びやかで透明感のあるヴォーカルが心地好い。
収録曲
01Peaty
風が吹き抜けるようなサウンドをバックに、ギターが淡々とリズムを刻むミディアム・ナンバー。空を飛ぶような自由への憧れと側にいて微笑みをくれる人への想いが交差する詞を、ゆっくりと空に舞い上がっていくようなヴォーカルで表現し、独特の世界観を作り出している。
02砂
鼓動のような静かに響くリズムが、一語一語区切りながらもゆったりと流れるヴォーカルへと寄り添う。春の風に砂が舞い上がる瞬間を捉えながら、一瞬の出来事を永遠のように描く詞が、夢うつつの状態を思わせる、彼女独特の表現スタイルが魅力的なナンバーだ。