ミニ・レビュー
タイトルには“自分自身に向き合う”というテーマがこめられているファースト・フル・アルバム。シンガー・ソングライター云々というより、“竹仲絵里”という私小説を読んでいるかのような作品は、感情の機微を丁寧に掬い取っているかのような温度の存在がある。
ガイドコメント
命あふれる歌を聴かせてくれるシンガー・ソングライターの1stアルバム。コブクロの小渕健太郎プロデュースによるシングル曲をはじめ、心のひだを揺さぶるナンバーが詰め込まれている。
収録曲
01alice
軽やかなアコースティック・ギターとテンポの良いピアノに、爽快なヴォーカルが晴れわたる空を連想させるポップ・ソング。作詞・作曲は彼女自身が担当しており、諦めない気持ちを強く歌っている。多くの人が共感をすること間違いなし。
02スクランブル
妖しい緊張感のあるギターとタイミング良く鳴るキーボードに、強さを感じるヴォーカルがセンチメンタルに響くポップ・ナンバー。何があっても夢を持って歩き続けようという気持ちを、胸の深い部分で感じることができる。
03サヨナラ サヨナラ
2006年1月リリースの2ndシングルのアルバム・ヴァージョン。綺麗に響くアコースティック・ギターの儚い調べにのせ、伸びのある壮大なストリングスと麗しいヴォーカルの掛け合いが美しい、哀愁漂うバラード・ナンバー。
04泣ける場所 (album version)
全体を安定させる落ち着いたキーボードと滑らかなベース・メロディ、優しいヴォーカルに魅了されるスロー・テンポのバラード。“側にいる”ということ、確かな存在を感じられるその言葉は強い力を持っている。
05ちょうどいい
清涼感あるアコースティック・ギターに優しいヴォーカルがそっと心に染み込んでくる、“癒し”という言葉が良く似合うスロー・ナンバー。キーボードの流れるような音色が、水のようにゆらゆら揺れるさまもまた心地良い。
06dislike you
清潔感あふれるアコースティック・ギターに、パワー全開のヴォーカルが気持ち良く響く、爽快ポップ・ナンバー。バランスのとれたベースに弾むようなドラム、遊び心あるキーボードそれぞれのサウンドがしっかりと生きている。
07ありがとう (album version)
2005年2月リリースの1stシングルのアルバム・ヴァージョン。涙腺を刺激するキーボードが終始鳴り響くなか、憂いに満ちたヴォーカルが感情をあらわにして切なさを表現するスロー・バラード・ナンバー。
08話そうよ
シンプルなサウンドが、ゆっくりと流れる時間を感じさせる心を呼び覚ます。忙しい生活のなかで忘れていた大切なものを思い起こさせてくれるようなスロー・バラード。彼女の優しい歌声を聴いていると心が綺麗になってように思えるから不思議。
09優しい手 震えた手 (album version)
一音一音が水のせせらぎのように心地良く響くドラムと、淋しさが滲み出るような哀愁漂うヴォーカルが絡み合う、静かに胸に染み込むバラード・ナンバー。愛しいメロディを鳴らすキーボードの存在も要注目!
10雨と虹
アコースティック・ギターが爽快に鳴り響き、トイ・ピアノの音も可愛らしい。陽気なヴォーカルが燦々と照らすポップ・ナンバー。今がイマイチでも“いつかは虹がかかる”という希望を歌っている。
11二人の明日
優しさが音に表われたようなメロウなアコギに、愛する人に敏感に反応する女心を描いた詞を歌うスウィートなヴォーカルが絡み合うバラード・ナンバー。浮遊感あるエコーがかった柔らかい音色のエレキも心地良く奏でられている。
12garbera
静かに語るアコースティック・ギターの調べにのせて、胸の奥の気持ちを呟くように歌い上げるバラード・ナンバー。メロディにそっと絡むようなストリングスは、体を優しく包むように温かい。尊い愛の存在について綴った詞が印象的。