ガイドコメント
ワールドワイドな活動を展開中のSOIL&“PIMP”SESSIONSの2ndフル・アルバム。先行シングル「Crush!」ほか、荒々しさの中にも切なさをにじませた怒涛の楽曲群に心を揺さぶられっぱなしだ。
収録曲
01MEMAI
アルバム『Pimp of The Year』のオープニングを飾るアグレッシヴなファスト・ジャズ。彼らの持ち味であるパンキッシュなサウンドに、ダンス風4つ打ちビートなどの新しい要素も取り入れた意欲作。フロント2人の破壊的なソロも聴きどころ。
02SUMMER GODDESS
電子的に加工された「DEATH JAZZ」の一言で始まるラテン風ジャズ・ナンバー。以前ミニ・アルバムに収録されていたナンバーと基本的には同じだが、エンジニアリングの違いのためか、サウンドの印象が異なる。
03WORLDWIDE
3拍子基調の激しいモード・ジャズ・チューン。唯一ソロを取るサックスの元晴は、こうした自由度の高いナンバーで実に伸び伸びと奔放なプレイを繰り広げる。終わりそうで終わらないエンディングも実に彼ららしい。
04Crush!
“社長”の絶叫「クラーッシュ!」で始まるフュージョン・ナンバー。秋田ゴールドマンのファンキーなベースやみどりんの楽しげな16ビートなど、リズム隊が一際輝いている。TBS系『格闘王』のエンディング曲。
05SABOTAGE
ラテン〜アフロ・キューバン風のリズム・パターンが印象的なナンバー。随所でベースが弾かなくなったり、“社長”のアジテーションや手拍子が入ることでライヴのような臨場感を演出。明解なテーマ・メロディも魅力的。
06SCOOP OUT
アナログ・シンセのファンキーなフレーズで始まる16ビート曲。アシッド・ジャズのような複雑なドラムと幾何学的なフロント2管のテーマが特徴的。最大の聴きどころは丈青(p)のこれまでにないシンセ全開のソロ。
07SAHARA
ジローラモが出演した伊藤園のCMソングとしても知られるサンバ風ジャズ。歪み系エフェクトをかけたロック・ギターのようなエレピ音が特徴的。“社長”がブラジリアン・ハウスをイメージして作ったというオシャレな1曲。
08破片
アルバム『Pimp of The Year』収録曲中唯一となるスロー・ナンバー。シンプルで親しみやすいテーマ・メロディが魅力のワルツ曲で、タブゾンビ(tp)と丈青(p)が歌心あふれるソロを展開。
09THE BLACK WIDOW BLUES
ブランフォード・マルサリスのカヴァー。絶妙な“ため”を効かせたピアノ・フレーズと原曲とは異なる独特のハーモニーが魅力。ピアノ・ソロ冒頭での意表を突くような4ビートへのリズム・チェンジなど、アレンジも面白い。
10THE WHITE WIDOW
アルバム『Pimp of The Year』での前曲の流れを汲んだ1分半弱のインタールード的なトラック。メロディの代わりに“社長”の若干ラップ気味なセリフが入る。ミュート・トランペットや左右に揺れるエレピ・サウンドなどが怪しい雰囲気を盛り上げる。
11i-rony
スカのような爽快なメロディが魅力の速い2ビート・ジャズ。ベースとドラムが繰り広げる“ンチャンチャ”というリズムが、強力にバンド全体をグルーヴさせる。勢いあまって暴走するエンディングのドラムも印象的。
12LAST LONG
ドラムのみどりんが作曲した80年代ディスコ風の軽快なナンバー。これまでになかった新しいサウンドに取り組んだ意欲曲のひとつ。トランペットとピアノの賑やかなソロの掛け合いやハンド・クラップなどが特徴的。
13SATSURIKUニューウェイヴ
どこかお茶目な8ビートのロック・ナンバー。8分音符を延々と吹き通す管楽器やチープなシンセ音、“社長”のパンキッシュなスクリームなど、聴きどころ満載。こうした大胆な遊び心にPE'Zとの大きな違いがある。
14NEED FOR SPEED
メロディはシンプルながらも目まぐるしくリズムが変化するボーナス曲。オーヴァー・ドライヴなどさまざまなエフェクトを駆使したエレピと、あくまでアコースティックなリズム隊が特徴的。車の運転中に出来た楽曲だとか。