クイーン / グレイテスト・ヒッツ3～フレディ・マーキュリーに捧ぐ [廃盤]

ミニ・レビュー

シリーズ第3弾、そして完結編とも呼べるもので、エルトン・ジョンとの共演ライヴやデヴィッド・ボウイ、ジョージ・マイケルが参加したのや、フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイの各自のソロ作品からの曲に貴重な音源など、選曲も多彩にして豪華。

ガイドコメント

後期ヒット曲から、各メンバーのソロ曲までを網羅したグレイテスト・ヒッツ第3弾。今回の目玉音源は、これがCD初登場となる「ショウ・マスト・ゴー・オン」。そもそもグレイテストなヒット曲がアルバム3枚分あるってことがグレイテストなのだな。

収録曲

01THE SHOW MUST GO ON

97年1月17日、パリ公演でのライヴ録音。エルトン・ジョン＋3人クイーン＋オーケストラによる豪華絢爛な歌と演奏が楽しめる。フレディ追悼公演など他にも多くのエルトン版があるが、このヴァージョンを決定版だと呼んでもいいくらいレベルは高い。

02UNDER PRESSURE

クイーンとデヴィッド・ボウイとの共作・共演曲の“Rah mix”ヴァージョン。過剰なまでに狂騒的なミックスで“プレッシャー”をまったく感じさせない非“アンダー・プレッシャー”。こんなに能天気でいいのか、と心配になっちゃうほどポジティヴ。

03BARCELONA

フレディの2ndソロ・アルバム『バルセロナ』タイトル曲のシングル・ヴァージョン。敬愛するオペラ歌手とのデュエットによるヒット曲。カバリエの故郷バルセロナについて書いたこの曲は、オリンピックを経てヨーロッパ讃歌となった。全英チャート2位のヒットを記録。

04TOO MUCH LOVE WILL KILL YOU

ブライアン・メイのソロ作『バック・トゥ・ザ・ライト』にも収録。平野を進む河の流れのように穏やかで、淀みなくしみわたる美しいメロディが出色のナンバー。95年発表のこの曲は、英最高第15位。

05SOMEBODY TO LOVE

92年4月20日、ウェンブリー・スタジアムで開催されたフレディ追悼コンサートでのライヴ録音。あの夜のベスト・パフォーマンスのひとつ。ジョージ・マイケルとゴスペル・クワイア、そして7万人の観客が歌う名曲の貴重な記録。全英チャートで3週連続1位を記録。

06YOU DON'T FOOL ME

90年代型クイーン・サウンドによるR＆Bソング。いわゆるブラコン調の曲。音の数の少ない隙間だらけの編曲が特徴だが、ギターの多重録音などでやや強引にクイーン化されているから、他ではあまり聴けない不思議なサウンドに仕上がっている。

07HEAVEN FOR EVERYONE

ロジャー率いるザ・クロスのアルバムにフレディがゲスト・ヴォーカルとして参加した曲のバッキング・トラックを新たに録り直し、ロジャー、ブライアン、ジョンのバッキング・ヴォーカルを加えたシングル・ヴァージョン。全英チャート2位のヒットを記録。

08LAS PALABRAS DE AMOR (THE WORDS OF LOVE)

85年の南米ツアー後にブライアンが書いた曲。スペイン語の歌詞を織り込み、南米のファンに捧げられている。シンセサイザーの自動演奏をフィーチャーしたサウンドをバックに、フレディが愛と希望を歌う。全英チャート17位のヒットを記録。

09DRIVEN BY YOU

91年秋にリリースされたブライアンのソロ・シングル曲。たとえばイノセントでエモーショナル。あるいはキュートでハード・ロッキン。いかにもブライアンらしい曲だが、何よりも“クイーンのブライアン”らしいところが魅力。全英チャート6位のヒットを記録。

10LIVING ON MY OWN

フレディのソロ・アルバム『Mr.バッド・ガイ』収録曲のリミックス・ヴァージョン。ジェフ・ロード・アルジェのリミックスで、ユーロビート調のリズムによる90年代仕様のダンサブルなサウンドに仕上げられている。全英チャート2週連続1位を記録。

11LET ME LIVE

ゴスペルにも繋がる雰囲気を持った緻密なサウンド・プロダクションが光るロック・チューン。ブライアンとジョンが交互にメインで歌ったあと、フレディとともにサビを歌う構成がかっこよい。

12THE GREAT PRETENDER

87年3月にリリースされたフレディのソロ・シングル曲。プラターズの1956年のヒット曲をカヴァー。歌詞も含めて、フレディにはこの曲がよく似合う。彼の甘くドリーミーな歌声をフィーチャーした魅力的なヴァージョン。全英チャート4位のヒットを記録。

13PRINCES OF THE UNIVERSE

複数の曲の断片を合体させた、フレディ主導のミニ組曲。『クイーンⅡ』を思い出させる荘厳なコーラスや「ブライトン・ロック」ばりのギター・ソロなども登場するドラマティックな大作。オールド・ファンが泣いて喜ぶこの曲は、映画『ハイランダー』挿入歌。

14ANOTHER ONE BITES THE DUST

ワイクリフ・ジーンのプロデュースによるリミックス・ヴァージョン。プラス・マイケルとフリーのラップをフィーチャーしたもので、どうやらブルックリンの現実について語っているようだ。ラップを切り口に、クイーンに初めて触れる子供たちもいそう。

15NO ONE BUT YOU ONLY THE GOOD DIE YOUNG

97年にリリースされた新曲。フレディとダイアナ皇太子妃に捧げられた感動的なバラード。ブライアン、ロジャー、ジョンの3人がヴォーカルをシェアしている。“いい人ばかりが若くして死ぬ”という内容の歌詞が泣かせる。全英チャート13位のヒットを記録。

16THESE ARE THE DAYS OF OUR LIVES

単純なサウンドと秀逸なメロディ。ここでのフレディの歌声は神々しいまでに清らかで美しい。40歳を過ぎた世代の聴き手なら実感できるはずの感覚がここにはある。そして、自身の死を覚悟した者だけが獲得できる聖なる歌声がここにはある。

17I WAS BORN TO LOVE YOU

以前はCM曲として、2004年はドラマ『プライド』の主題歌として、リリース以降その都度、クイーン旋風を巻き起こしてきた一曲。原曲はフレディのソロ作『ミスター・バッド・ガイ』に収録され、死後にアレンジされ甦った。

アーティスト

クイーン
英・ロンドン出身のロック・バンド。フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ジョン・ディーコン、ロジャー・テイラーの4名で、1971年に本格的に始動。74年の「キラー・クイーン」が全英2位、翌年の「ボヘミアン・ラプソディ」が全英9週連続1位……

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