ミニ・レビュー
フレディ・ケンプの圧倒的な運動性は決して指が回るからではない。彼のダイナミズムは単に力強くピアノを鳴らすからではない。デリケートな音量差、わずかな音色の違いをクッキリと描き出す希有なピアニストだからだ。「シャコンヌ」の息を呑むほどの凄さ。これほど“鳴る”ピアノは滅多に聴けない。
ガイドコメント
イギリスのピアニスト、F.ケンプの真骨頂ともいうべきアルバム。高い難度を誇る曲ばかりを集めているが、よく回る指とダイナミズムや微妙な表情の変化など、作品ひとつひとつの特徴を見事に捉えてその魅力を楽しませてくれる。
収録曲
01コレルリの主題による変奏曲op.42 (ラフマニノフ)
02シャコンヌBWV1004 (J.S.バッハ/ブゾーニ編)
03優雅で感傷的なワルツ (ラヴェル)
04ペトルーシュカからの三楽章 (ストラヴィンスキー)