ミニ・レビュー
“凡百の演奏とは一味違う尖鋭な解釈”〜オビの文言が言い切る通り、嘘偽りのない斬新なラモー。そもそも演奏家の技量を試すかのように作品の組成と音楽の愉悦とが複雑に絡み合いながら、見通しの良いシンプルさを装う、真のソフィスティケーション。歴代の名演奏に伍して連なる秀演だ。★
ガイドコメント
楽界に旋風を巻き起こしているギリシャ出身の鬼才、テオドール・クルレンツィスと手兵ムジカ・エテルナが、ラモーの没後250年である2012年に録音したアルバム。歴史的な言葉や演劇まで徹底的に研究した成果が、尖鋭な解釈の演奏へと結実している。
収録曲
ラモー:
01「エベの祭典〜または、音楽劇の才能〜」〜テルプシコールのためのロンドー形式によるミュゼットとタンブーラン
02「ゾロアストル」〜ロンドー形式によるガヴォット
03「レ・ボレアード」〜ミューズたち、西風、季節、時、芸術の神々の入場曲
04「優雅なインドの国々」〜シャコンヌ
05「優雅なインドの国々」〜花のバレエ:嵐
06「ゾロアストル」〜ロンドー形式による恋のアリア
07「プラテー、または嫉妬深いジュノン」〜嵐
08「優雅なインドの国々」〜大いなる和平のキセルの踊り-二重唱と合唱「穏やかな森よ」
09「6つのコンセール (六重奏版)」〜めんどり
10「プラテー、または嫉妬深いジュノン」〜フォリーのレシタティフと小アリア:「光っていこう!〜アポロンの求愛に」
11「ナイス」〜第1と第2のリゴードン
12「ゾロアストル」〜序曲
13「イポリートとアリシー」〜前奏曲と伴奏付きアリア「聖なる神殿、静かな居場所」
14「ナイス」〜序曲
15「レ・ボレアード」〜ボレーに扮した人々による、喜びと感謝に満ちた、ロンドー形式の第1と第2のコントルダンス
16「優雅なインドの国々」〜アフリカの奴隷のためのアリア
17「ダルダニュス」〜異なる国の民衆のための、第1と第2のタンブーラン
18「カストールとポリュックス」〜前奏曲と伴奏付きアリア「悲しい支度」