ミニ・レビュー
アッパー系ダンス・ナンバー「Finding My Road」、クラシカルな雰囲気を持つバラード「Love Story」、“強さ”を感じさせるR&B「REAL ME」。アーティストの幅広さ、個性をさらにダイレクトに反映させたサード・アルバム。キュート&パワフルなヴォーカルもいい。
ガイドコメント
ハワイ生まれの女性シンガー、melody.の3rdアルバム。ディスコやバラード、ピーター・セテラのカヴァーなどが披露されており、彼女の幅広い音楽性がうかがえる。より情感豊かになったヴォーカルも魅力だ。
収録曲
01Finding My Road
キラキラとした光を放つエレクトロ感とファットなビート、そして“自分の道は自分で見つける”という歌詞がクロスする、強靭なイメージのダンス・チューン。ヴォーカルも力強く、アッパーなヴァイブレーションに満ちている。
02with you
ふたりが出会えた奇跡を信じ、いつまでも一緒にいる……そんな愛らしい思いを軸にしたR&B系ラヴ・ソング。心地よいグルーヴを生み出すビートと繊細なメロディ・ラインがしっかりと結びついていて、何とも気持ちいい。
03Love Story
デリケートな恋愛感情がグッと胸に迫ってくるピアノ・バラード。どこかノスタルジックな印象を与える旋律、“叶わぬ恋”をリリカルに描いた詞、ひとつひとつのフレーズに深いエモーションを宿らせるヴォーカルが、見事に融合している。
04All For Love
美しくも深遠なコーラスが鳴った瞬間、一気に楽曲の世界に引き込まれるミディアム・ダンス・チューン。R&B×ドラムンベースとでも言うべきオリジナリティあふれるリズム・アレンジなど、意外性に満ちた楽曲展開もかなり斬新。
05HOPE
シリアスなムードが全編を覆う、真摯にして力強いメッセージをたたえたダンス・ナンバー。抽象的な手触りのテクノ系トラックのなかで歌われるのは、希望を持って前を向いて歩き続けることの大切さを描いたリリックだ。
06Glory of Love
幼少時代のmelody.が夢中だったという、映画『ベスト・キッド3』の主題歌のカヴァー。80年代モードを感じさせるメロディと2000年代のダンス・トラックとしてのパワー感が、しっかりと溶け合っているナンバーだ。
07READY TO GO!
“ここからはじまる!”という強い意志を感じさせるアルバムのタイトル・チューン。ヘヴィネスとポップネスをあわせ持った4つ打ちのトラックとディスコティックなサウンド・エフェクトを従え、melody.のヴォーカルはさらに力強さを増している。
08ONE DAY
アコースティックな空気感を伝えるサウンドのなかで、素朴な響きをたたえたメロディがしっとりと流れる。フォーキーでブルージィな手触りを持つこの曲からは、彼女の奥深い音楽性の一端が感じられる。
09Lovin'U
恋に落ちる瞬間をロマンティックに描いた歌詞はmelody.自身の手によるもの。キラキラとしたポップネスを放つトラックのなかで、あえてキーを低めに設定し、落ち着いた雰囲気を演出するヴォーカル・ラインが絶品の8thシングル。
10REAL ME
凛とした緊張感を宿したストリングスからスタートするR&B系ナンバー。“どうでもいいよ”と未来を捨てるのではなく、本当に自分がやりたいこと、やるべきことを見つけてほしい、というメッセージもきわめて強烈。
11ALL I DO
君が好き、ずっとずっと永遠にそばにいたい。そんなストレートな思いを表現したバラード。デリケートなヴォーカルが印象的な彼女だが、この曲ではパワフルにしてダイナミックなヴォーカリゼーションを披露している。
12Shine
バウンシーに飛び跳ねていくビートを乗りこなし、“新しい輝きを目指して外に出ていこう”というリリックをしっかりと描き出していく。クラブ・ミュージックのセンスとJ-POPのわかりやすさをナチュラルに融合させたナンバーだ。
13Dangerous
ぶっといボトム・ビートを軸にしたディスコ・トラックがとにかく強烈。男の視線を集めまくり、危険なラヴ・ゲームをはじめようとする女性を描いた詞もビリビリと刺激的。melody.の新たな魅力を伝えるアルバム『READY TO GO!』のラスト・ナンバー。