ミニ・レビュー
ユニット名表記を大文字から小文字に変更し、心機一転した人気ポップ・デュオのソニー移籍第1弾となる約3年ぶり、通算5枚目のオリジナル・アルバム。シングル3曲のほか、新曲7曲を含む全13曲を収録。彼らのポップな世界に浸れる一枚。
ガイドコメント
前作から3年ぶり、通算5枚目のアルバム。Sony Records移籍後にリリースした3枚のシングル「Re:START」「FLY HIGH」「ココロのつぼみ」をすべて含む、充実の仕上がりとなっている。
収録曲
01ちりつもたれつ
どんなことでもふたりで“もちつもたれつ”でいきましょう、というメッセージが込められた前向きなナンバー。アルバム『resurface』のオープニングにふさわしいドライブ感溢れる曲。
02Re:START
シンセの音を使った、ゆったりとしたAメロからスピード感のあるサビに向かっていく展開は、曲をさらに盛り上げる。けっして楽じゃないが最高の世界を求めて歩いていこうという曲。
03WAIT!
渋いベースのイントロで始まり、低音のドラムが印象的なAメロからサビへとスピード感が溢れる展開。Bメロはとてもキャッチーなメロディで聴く者をひきつける。途中のドラム・ソロも魅力的に配色されている。
04ハニカムハニ
歌謡曲的なBメロがsurfaceの意外な一面を見せてくれるが、浮ついた感じもなくしっかりとものにしている。歌詞の内容は男の下心をうまく歌ったもので、なかなかセクシーでドキッとさせられる。
05クセになりそうだ
エレクトリックな音が魅力的に響いて、メロディに乗る歌詞のテンポがいい。アルバム『resurface』の中でも目玉的な曲で、女性コーラスがセクシー。70年代を意識しているような雰囲気を醸し出しているナンバー。
06airy
ピアノの癒しが伝わるサウンドに、近すぎて見えなくなることもあるという切ない歌詞が乗って、胸を打たれる曲。歌唱力で曲を引っ張り、切ないフレーズのギター・ソロで曲全体を盛り上げている。
07CROW
静かなギター・サウンドから壮大な展開を見せ、夢と希望を捨てることは絶望に向かうだけだ、と熱く歌っている。飛び方を覚えているか? と問い掛けられている気分になる曲。
08Howling
ハード・ロックらしい、重みのあるサウンドで表現。サビへむけてメロディが上昇するところに“愛してほしい”という激情を強く感じる。スリップするギターが印象的なナンバー。
09FLY HIGH
飛べるものならば君と夢だけを連れ去ってどこかに飛んでいこう、というロマンティックで力強いメッセージを放つ曲。スピード感のあるギター・ワークが間奏の部分でじっくりと聴ける。
10モノクロカプセル
美しいヴォーカルが生かされたメロディ。アコースティック・ギターが参加していることで、今までとは違ったsurfaceを聴かせてくれる。エフェクターを使った泣きのギターが耳に残る。
11ココロのつぼみ
ピアノ、ストリングスに乗る歌はただ美しい。歌詞も今までとは違いやわらかい印象を受ける、ラブ・バラード。高い山が道の先に訪れてもゆっくり歩いていこう、という曲。
12だけどきみを離せない
ギターのやさしい音色に気づくとはっとさせられる、不器用な男の愛情を物語るような歌。静かに静かに音数が増えていく盛り上げ方は、自然で感動と共感を誘う。
13そこに正座
みんな何かしらのリスクを抱えながらも何かしなくてはいけない。何もしない人に「そこに正座!」と喝を入れてくれる応援ソング。ドライブ感溢れる音楽に仕上げ、聴き心地よくまとめている。