ミニ・レビュー
10年間の走り続けてきたHawaiian6の歴史を結集したミニ・アルバム。年輪、結束、輪廻(=RING)という意味をこめて、初期の頃の雰囲気を持ったナンバーから現在進行形のナンバーまで全8曲を収録。哀愁美にあふれつつも疾走感あふれるナンバーが満載。
ガイドコメント
デビュー10周年となる2007年に発表のミニ・アルバム。ライヴで披露され人気を得ている「The Pride」や彼らの原点である“昭和歌謡”を連想させるナンバーが満喫できる。
収録曲
01The Betrayer
高速BPMの1stヴァースからハーフ・テンポの2ndヴァースへ。勢いを持続させたまま、すかさずサビで元のBPMへと展開する。ハードながらもクラシカルなコード・アルペジオのギター・ソロが意表をつく。アルバム『RINGS』のオープニングを飾るにふさわしいナンバー。
02Freedom Train
メロディック・パワー・メタルを思い起こさせるようなソロやブレイクのイントロから、すでに様式美なサウンド。突っ込み気味のリズム、メタリックなギターといったサウンドにメロディアスなメロディが見事に融合した、パワフルなナンバー。
03Shadows Of The Sun
パワー・コードをベースにしたシンプルながらハードなギターと、マイナーなメロディがリズム隊の超高速BPMに乗る、彼らの真骨頂ともいうべきナンバー。メロディをフェイクしたギター・ソロも、哀愁を誘う。
04Diamond
興味をそそるのは、高速16ビートが繰り出されるキメキメのイントロ。彼らのコンビネーション&スキルの高さを感じさせる演奏だ。メジャーでシンプルなメロディが、まるでパワー・ポップのような人当たりの良さを感じさせる。
05Seasons
3度のハーモニーで魅せるギター・ソロのイントロから、メロコアというよりメロディック・パワー・メタルのような哀愁を感じさせる。センスの良いマイナー調の泣きのメロディは、まさに日本人好みだ。
06The Morning Bell
フィル・インというには凄まじいドラムの迫力に注目。イントロからリスナーの心をわしづかみにする“泣き”のメロディが魅力のマイナー・チューン。ブリティッシュでもアメリカンでもない、歌謡曲のような哀愁漂うメロディだ。
07Star Falls On Our Hands Tonight
2ビートといってもいいほどのハイテンポで駆け抜ける、超高速BPMによる疾走感たっぷりのスピード・チューン。2ndヴァースでのハーフ・テンポへ落とし込む緩急のついたアレンジ・センスはさすがだ。ギター・ソロのバックでも、この手法は活かされている。
08The Pride
アルバム『RINGS』のなかでアルペジオをバックにした唯一のナンバーで、サビへ向かうにつれて高揚するメロディが魅力。歪みすぎて音と音が濁らないよう、ヴォリュームを落とし気味にしてアルペジオを美しく響かせる細やかな心遣いにも注目だ。