ミニ・レビュー
BIGBANGのSOLことテヤンが、これまで韓国でリリースした楽曲からセレクトした日本ソロ・デビュー・アルバム。韓国R&Bの鋭意をもって作られた、緻密でスタイリッシュでドラマティックなダンス・ナンバーの数々。何より、どんな色にも変化し輝くSOLのヴォーカルは鮮やかで感性的。★
ガイドコメント
ジャパン・ソロ・デビュー・アルバム。卓越したパフォーマンスで高い人気を誇るBIGBANGから、韓国でも強烈なヒップホップ・ナンバーをリリースしたSOLが放つ衝撃作だ。
収録曲
[Disc 1]〈RISE〉
01INTRO (RISE)
約1分45秒の、アルバム『RISE』の文字どおりのイントロダクション。鼓動のようなボトムで幕を開けたのち、ティアーズ・フォー・フィアーズ「ルール・ザ・ワールド」を下敷きにした清涼な空気をまとった展開へ。上昇していくために手を掲げ続けろと歌う。
02EYES、NOSE、LIPS (JPN Ver.)
TEDDYを中心に制作したミディアム・スロー・バラードの日本語ヴァージョン。愛しているのにそばにいない辛さがにじみ出た、SOLの心痛なヴォーカルが染みる。今にも消え入りそうな“君を呼んでるよ”のラスト・フレーズが実に切ない。
031AM (JPN Ver.)
TEDDY、CHOICE37、Boys Noizeによるミディアムの日本語版。ヒップホップ・ソウルとダンス・トラックを交配させた、クールでフレッシュなサウンドが耳に爽やかに残る。なかなか忘れられない愛しい君への想いを綴った男目線の失恋ソングだ。
04STAY WITH ME (FEAT.G-DRAGON (from BIGBANG))
BIGBANGでの盟友G-DRAGONを招いてのミディアム・ヒップホップ。なかなか首を縦に振らない君に、そばにいて欲しいと告げるラヴ・ソングだ。拗ねたような悪っぽさを醸したGのラップとピュアなSOLのヴォーカルが、心の内外を示しているように対照的。
05BODY
うねりのあるボトムを敷いたエレクトロ・ダンサーをフックに取り込んだ、ファレル路線のディスコ・ファンク。クラジクワイ・プロジェクト的な爽快と疾走を有したトラックをバックに、君を褒めまくるラヴ・ソングだ。心も身体も弾むグルーヴが痛快。
06RINGA LINGA (JPN Ver.)
VERBALとG-DRAGONが作詞に参加したエレクトロなヒップホップの日本語ヴァージョン。うねりのある“リンガリンガリン〜”のフックが何といってもクセになる。粘りつくようなフロウを軸にしたパーティ・ソングだ。
07THIS AIN'T IT
終わってしまった恋だと分かっていながらも、いつまでも忘れられない君への想いを綴ったラヴ・バラード。ほの暗い部屋に光が射し込むような、どこか物憂げなムードのなかで呟くように歌う。終盤で披露する澄んだファルセットが、かえって切なさを募らせる。
08LET GO
独りでいることにも淋しさにも慣れてると冷静を保ってきた男が、君がいないと意味がないと嘆く愛のメッセージ。過不足ないサウンドによる優しい肌あたりのミディアムで、“行かないでくれ”という心からの願いを美しくも切なく歌う。
09LOVE YOU TO DEATH
死ぬまで君を愛すると語りかけても、俺を求めず気持ちが離れかけている彼女。“お前じゃなきゃダメなんだ”という気持ちは彼女に届くのか……苦しい胸の内を吐露した悲痛なラヴ・ソングだが、音質はほのかな温かさを感じさせる。
[Disc 2]〈SOLAR+HOT〉
01INTRO (HOT)
BIGBANGの盟友、G-DRAGONが中心となって手掛けたアルバム『SOLAR&HOT』の約1分半のイントロダクション。俺の名前を呼んで、俺の歌を聴いて、一緒に高みへと走っていこうぜと語りかけ、ドンドドンと鳴るボトムが高揚を煽る。
02PRAYER (FEAT.TEDDY)
君は空で月、俺は大地で太陽、そして君はボニーで俺はクライドと言い、一生を添い遂げる存在なんだと語るラヴ・ソング。TEDDYをフィーチャーした、シリアスなムードのエレクトロ・ミディアムで展開。ラップ・パートも硬派にキメている。
03ONLY LOOK AT ME
俺が浮気しても君は絶対にしないで、君は俺だけを見つめてと語りかけるラヴ・ソング。自分勝手な男の戯言に思えるが、本音は俺みたいに汚れた心にならないでというピュアなメッセージ。チキチキしたビートとシンセを軸に展開するミディアム・エレクトロだ。
04A SINNER
GABE LOPEZが手掛けた、ほの暗くメランコリックなムードで展開するミディアム・チューン。すべてが終わったのに忘れられずにいる男の傷心を歌っている。悲しい声で曇天に叫ぶようなもの憂げなヴォーカルが、胸を苦しめるように切なく響く。
05BABY I'M SORRY
優しくも哀切な“Baby I'm so sorry”のフレーズが身に染みる悲しきラヴ・バラード。幸せを祈るよといいながらも、苦しくてたまらない胸の内を吐露する。後半に挟まれるラップ・パートも未練たっぷりに演じている。
06MAKE LOVE (FEAT.KUSH)
制作したKUSHをフィーチャーしたミディアム・チューン。麗しい鍵盤とエレクトロなシンセ・サウンドをほどよく合わせたトラックをバックに、君への永遠の愛を誓う。雄々しいラップ・パートもいいアクセントとなっている。
07INTRO (SOLAR)
CHOICE37による『SOLAR+HOT』の後半、『SOLAR』の約1分のイントロダクション。優しく注がれる木漏れ日のように、清々しさと柔和さが感じられるサウンドに寄り添うごとく、“SOLARへの準備はいいかい?”と問いかける。
08SUPERSTAR
“君は僕のスーパースターで、僕は君の大ファン”これって運命じゃない? と告げる抑えきれない気持ちを大胆に吐露するラヴ・ソング。天にも昇るような、という言葉がぴったりの上機嫌な歌唱を披露している。制作はTEDDYによるもの。
09I NEED A GIRL (FEAT.G-DRAGON (from BIGBANG))
盟友のG-DRAGONをフィーチャーしながら、一人でいることに疲れた男が理想の女子像を語るというストーリー。音をごちゃつかせず、リラックスしたムードのなかで優しい声色で語りかける、スウィートなナンバーだ。
10JUST A FEELING
初期のNe-Yoに見られたような瑞々しいハープ音と太いシンセを組み合わせたエレクトロ・ダンス・チューン。君と一緒にいるときの感覚こそが何よりも大切なんだと告げるラヴ・ソングだ。TEDDYによるプロデュース。
11YOU'RE MY
“You're my”に続くのは、チョコレート、アイスクリーム、キャンディ……。僕にまぶしいほどの愛をくれた君へ思いの丈をぶつけるようなスウィート&メロウなラヴ・ソング。フェンダーローズと寄り添うヴォーカルも溶けるように甘さ全開。
12MOVE (FEAT.TEDDY)
TEDDYとKUSHによる開放感が伝わるミディアム・クラブ・チューン。チキチキと鳴るビートと時折挟み込まれる“エーイ”のコールが次第に興奮を高めていく。陽気で爽やかな曲風ながらも、もっと“動いて”と迫るフロア・キラーだ。
13BREAK DOWN
スクリューで幕開け後、レゲエ・テイストのバックビートと楽園ムードの快活な曲風で展開するヒップホップ・テイストのミディアム・ダンサー。朝まで踊ってクレイジーになろうぜと騒ぐ、フロアでの大合唱を呼び起こしそうなパーティ・ソングだ。
14AFTER YOU SLEEP (FEAT.SWINGS)
君が寝た後から始まる短いけど盛り上がる“別の恋”について赤裸々に語る。セクシーな声色で歌うSOLも、不気味な笑いから武骨にフロウしはじめるSWINGSのラップも、どちらも歌うのは浮気な夜について。R&Bテイストのダンス・チューンだ。
15WHERE U AT
君の居場所をすぐに教えてくれと叫ぶメッセージ・ソング。僕の孤独をすべて知っているような君を捜し求めるストーリーを、フューチャリスティックなエレクトロ・アレンジとセンチメンタルなメロディで描く。制作はTEDDY。
16WEDDING DRESS
ここで語られるウェディング・ドレスはハッピーとは真逆の悲しみの象徴。長年想い続けてきた君が彼と永遠を誓うのを目の前にして、うちひしがれる男の気持ちを歌う。美しくも哀惜募る切ないメロディで綴るエレクトロなバラード。
17TAKE IT SLOW
エレクトロなシンセと透明感のある鍵盤が導くメイクラヴァー。神秘的なムードさえ感じさせるピュアなトラックをバックに、夢が現実に変わろうとする“愛の時間”への喜びを歌う。恍惚にも思えるハイトーンやファルセットが美味。
[Disc 3]〈DVD〉〈Music Video〉
011AM (JPN Ver.)
02RINGA LINGA (JPN Ver.)
03EYES、NOSE、LIPS
04RINGA LINGA-Dance Performance-
05I'LL BE THERE
06I NEED A GIRL (FEAT.G-DRAGON (from BIGBANG))
07WEDDING DRESS
08WHERE U AT
09ONLY LOOK AT ME
10PRAYER (FEAT.TEDDY)
11MA GIRL
12Making of“RISE”