ガイドコメント
結成20周年を記念し、過去に所属したレーベルの枠を超えて楽曲を収録した、彼らの軌跡が辿れるベスト・アルバム。代表曲の再録ヴァージョンや、彼らの音楽活動を振り返って制作された新録曲「1989」も収めている。
収録曲
[Disc 1]
011989
89年に結成したピロウズの20年をテーマにした一曲。“独りぼっち 寂しさに慣れたなんて嘘だよ”と、誰かに自分の存在をわかってもらうために歌う“僕”がはかない。優しく柔らかい山中の声が、後半一歩ずつ確かめるように力強くなるのが印象的だ。
02サリバンになりたい (Rock Stock Version)
エフェクティヴなギターが高揚感を与えるロック・ナンバー。映画『汚れた顔の天使』の主人公“ロッキー・サリバン”を取り上げ、エモーショナルかつ軽快に歌う。サビで繰り返されるシャウトに、山中の過激さが表われている。
03New Animal
ロックでありながらもポップを感じさせる、清々しく躍動感あふれるナンバー。“砕けた僕は風になるだけ”と潔さを見せる、失敗を恐れずに突き進んでいく意志の強さを綴った詞は、若者に勇気を与えるだろう。
04スケアクロウ
夕暮れを思わせるノスタルジックなサウンドが、懐かしさと温かさを感じさせるナンバー。大切な“キミ”と一緒に未来を歩むと決意する“僕”の強い想いを、飾らない言葉で綴った詞が優しい。サビの美メロに心奪われる。
05プロポーズ
だらしない“僕”が、“僕の事 引き受けてくれよ ずっと”と少し頼りないながらも“キミ”に愛を伝える詞がユニーク。ほのかに不安を見せつつも陽気に歌う山中の声が、“僕”の心情を絶妙に表現している。
06Ride on shooting star
OVA『フリクリ』主題歌に起用され、ピロウズの名を一気に広めることとなったロック・ナンバー。耳に残る軽快なギターのフレーズとは対照的に、大人になる前の不安や自信が混ざる心情を歌っている。堂々とした山中の声には希望が感じられる。
07Mr.Droopy
全英詞で綴られたエモーショナルで爽やかなサウンドのナンバー。“地上は明るすぎるよ”という理由で穴を掘り続ける“Mr.ドルーピー”の、まっすぐではあるが滑稽にも見える行動を描いている。軽やかなサビのコーラスが特色。
08Ladybird girl
“キミに会いたいな”という想いをダイレクトに綴った詞が、少し切なくも希望を感じさせる一曲。清々しさのなかにほどよいセンチメンタル感を漂わせながら躍動するサウンドが、“キミ”に夢中な僕の気持ちを表わしているようだ。
09Tokyo Bambi
“知りたくないぜ”というサビのフレーズが耳に残るナンバー。明日がどんな日だろうと関係ない、“キミを幸せにする”という前向きな歌詞が爽やかだ。印象的なホーン・セクションは東京スカパラダイスオーケストラによるもの。
10Funny Bunny (Rock Stock Version)
“キミの夢が叶うのは 誰かのおかげじゃないぜ”と歌うサビに励まされ、やわらかい山中のヴォーカルが安心感を与えてくれる。99年にオリジナルが発表された、人気の高い名曲の一つだ。
11ONE LIFE (Rock Stock Version)
物憂げに流れるメロディに寂しさが見え隠れしながらも美しいサビに惹かれる、情緒あふれるナンバー。日常に不安を感じながらも、“キミ”がいることで僕は歩いていけると切々と歌う山中の声には、未来の希望を感じる。
12ハイブリッド レインボウ
“Can you feel?”のフレーズで知られるピロウズの代表曲。心地よいノスタルジックな音色で繊細に歌うも、一気に盛り上がるサビでは力強く想いをぶつける。明日を信じて進み続けるという詞が共感を生み、ライヴでも異例の存在感を放つ。
13ストレンジ カメレオン (Rock Stock Version)
96年6月発表の6thシングルで、バンドの転機となった一曲。山中が自身を“まわりの色に馴染まない 出来損ないのカメレオン”にたとえた疎外感の強い詞が特徴。シリアスな曲調も魅力的で、ミスチルがカヴァーしたことでも有名。
14Swanky Street (Rock Stock Version)
センチメンタルなサウンドが次第にクリアになっていく展開が心地よく感じる一曲。つまづきながらも立ち止まらないで進み続けるという青春時代の心情を描いたような詞を、一言ずつ大事に歌う。ノスタルジーな雰囲気が懐かしく、時の流れを実感させる。
[Disc 2]〈DVD〉
011989 (PV)