ミニ・レビュー
当節ハヤリの軽快さやカッコ良さなど微塵もない。むしろ農家直送の無農薬野菜の如く、ゴツゴツとどこか野暮ったい。加えて人工的な味付けもほとんどなく、素材本来の味を愚直なまでに押し通す。ゼルキンのシューベルトはそんな感じ。だがそこから生まれる音楽の何と言う真摯な深み。
ガイドコメント
R.ゼルキンが晩年に録音したシューベルト。第15番「レリーク」をはじめとしたピアノ・ソナタと即興曲を収録。メランコリックな情緒を排し、武骨なピアニズムで硬派なシューベルト像を創り上げている。
収録曲
シューベルト:
[Disc 1]
01ピアノ・ソナタ第20番イ長調D.959 (遺作)
02即興曲ヘ短調op.142-1
03即興曲変イ長調op.142-2
04即興曲変ロ長調op.142-3
05即興曲ヘ短調op.142-4
[Disc 2]
01ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調D.960 (遺作)
02ピアノ・ソナタ第15番ハ長調D.840「レリーク」
録音
[1] (1)66.2 (2)79.1 [2] (1)75.9 (2)55.3