ジャクソンズ『トライアンフ』からの2ndシングル。エルヴィス・プレスリーの曲との混同を避けるため、のちに「ディス・プレイス・ホテル」と改題も。高らかなホーンと甘美なメロディが胸騒ぎを煽る、サスペンス風味を帯びたディスコ・ポップだ。

ギネスに認められた世界で最も売れたアルバムのタイトル曲で、従来の概念を覆したヴィデオでも一世を風靡。原曲デモ「スターライト」を発展させ、軋む扉の音や遠吠えからヴィンセント・プライスの不穏なナレーションまで、スリリングなゾンビ・ポップを完結。

テディ・ライリーとの共作で、『デンジャラス』収録に漏れた7年後にシングル化。ジャネット・ジャクソン「リズム・ネイション」マナーのヴァースを組み込みながら展開する、スリリングかつアグレッシヴに駆け抜けるディスコ・ポップが痛快。

ベリー・ゴーディ・ジュニアの息子がロックウェル名義で1984年にリリースしたデビュー・シングル。ミステリアスなムードも漂うニューウェイヴやシンセポップ色を強調した展開のなかで、瑞々しいマイケル・ジャクソンのコーラスが映えるブラコン・ダンサーだ。

『バッド』からの5枚目のシングル。リリース当時はタイトルの“ダイアナ”がダイアナ・ロスか英皇太子妃ダイアナかと憶測を呼び、裏切られたグルーピーの女性を激しく罵るというストーリーも話題に火をつけた。エッジなギターとともにもがくように叫び泣く歌唱が印象的。

ジャクソンズのアルバム『ヴィクトリー』からの2ndシングルは、三男ジャーメインとマイケルによるデュエット。セクシーなヴォーカルで人気のジャーメインと麗しいファルセットのマイケルが心に炎を灯すスリリングな愛を問いかける、ハードボイルドなナンバーだ。

北米ではシングル化されなかったポップなシャッフル・ナンバー。タイトルの“もう放っておいてくれ”は、何事もスキャンダラスに報道するメディアへの不満を吐露したもの。シンプルなディスコ・ポップ・トラックのループの上で、苛立ちを露にしたマイケルの苦悩が窺える。

妹ジャネットとの共演が話題になった、「チャイルドフッド」との両A面シングル。ジャネットとジャム＆ルイスによる軽快なポップネスを下地に、当時マイケルが抱えていたネガティヴで挑発的な叫びを絶妙に融合。鋭さを持ちながらもキャッチーな曲へと昇華した兄妹傑作。

1991年のアルバム『デンジャラス』の表題曲。テディ・ライリーとビル・ボットレルが手を貸しているが、シンプルなビートの上で美しいメロディと扇情的なヴォーカルが弾むというマイケルらしいブラコン・マナーで進行。金を奪い、時間を奪う危険な女についての忠告だ。

不調に終わった（といっても800万枚セールス）と揶揄されたアルバム『インヴィンシブル』収録曲。ダークチャイルドことロドニー・ジャーキンスを制作に迎え、マイケルの新たなポップ像を提示。“僕はヤワな男じゃないから”と安易に近づこうとする人たちを牽制する。

冒頭の“ダークチャイルド”のコールでも判るとおり、ロドニー・ジャーキンスがプロデュース。『インヴィンシブル』で選外となった曲で、残念ながらマイケルの死後に完成をみたソウル・ディスコ・チューンだ。“今必要なのは逃げること”と支配や重圧からの解放を説く。

『インヴィンシブル』収録のミステリアスなムードが降り注ぐミディアム・チューン。「スリラー」手法よろしく、ロッド・サーリングによる恐怖を煽るナレーションをアクセントに、自身に存在する利己的欲求や悪戯な好奇心がいつか恐怖となって襲い掛かると警鐘を鳴らす。

1996年に米国内でプレミア上映された短編映画『ゴースト』主題歌となったブラコン・ナンバー。テディ・ライリー得意のニュージャックスウィング風ビートの上で、不穏でファンタジックなホラー・サウンドを展開。“嫉妬という名の亡霊”に怯えるさまをクールに描く。

シカゴを拠点とするリミックス・デュオ、ザ・ホワイト・パンダによるマッシュアップ。「ブラッド・オン・ザ・ダンス・フロア」「デンジャラス」を軸に「ハートブレイク・ホテル」「リーヴ・ミー・アローン」「イズ・イット・スケアリー」をまぶしてホラーなムードを演出。