ガイドコメント
ガガガSP原点回帰の一枚と言える、『卒業アルバム』以来コザック前田の全作詞・曲の楽曲で占められた、オリジナル・アルバム。先行シングル「つなひき帝国」「人間なのさ」を含む全11曲収録。
収録曲
01元町サンセット通り
神戸に実在する通りの名前をタイトルに冠したパンク・チューン。地元への想いと、愛する人への想いが二重写しとなり、切なさを倍増させる。コザック前田の熱いながらも丁寧な歌唱が、世代や文化を超えた普遍的な感情を見事に表現。
02人間なのさ
吉田拓郎の「人間なんて」へのアンサー・ソング。コザック前田曰く、イメージはブルーハーツの「終わらない歌」とのこと。リード・ギターのフレーズのヴァリエーションによって、シンプルながらもドラマティックな楽曲に仕上がっている。
03プロポーズ
21世紀版「結婚しようよ」といった趣きもある、ガガガSP初の結婚ソング。ベイ・シティ・ローラーズへのオマージュを織り交ぜつつ、愚直なほど真っ直ぐな愛を歌い上げる。この曲を聴けば誰だって結婚したくなること間違いなし。
04日進月歩
深い絶望の中でもまだ生きようとする人間の命の力をたたえた賛歌。コザック前田は激しさの中に優しさを感じさせる名唱を披露。高いピッチでチューニングされたキレの良いスネア・ドラムの音色が、ビートの疾走感をさらに強調する。
05全ては変わった
2005年2月に発表された「はじめて君としゃべった」のカップリング曲を『青春狂時代』用に再録音。オリジナル・ヴァージョンよりも丁寧な歌唱が、東須磨での思い出をいつくしむ気持ちをさらに切々と伝えてくる。
06つなひき帝国 2006〜しばきまわすぞ編〜
2005年5月に発表されたシングル曲を『青春狂時代』用に再録音。シングル・ヴァージョンよりもさらにスピーディかつパワフルなサウンドからは、バンドのさらなる成長が感じられる。人生をつなひきにたとえるあたりに鋭い着眼点を思わせる。
07すばらしき人生
「基準に外れていいから面白い人生にしよう」とすべてのはみ出し者に呼びかけ、勇気づけるメッセージ・ソング。コザック前田にしては珍しいファルセットを織り交ぜた歌声が、楽曲のメロディアスな印象をさらに強めている。
08夏の匂い
字余りの歌詞が特徴の彼らには珍しい、シンプルな歌詞と譜割りの8ビート・ロック。エレクトリック・ギターの柔らかなアルペジオが、夏の夜の気だるい空気感を喚起する。要所でダブル・トラックになるヴォーカルがポップだ。
09さんま焼けたか
さんまを焼きながらさまざまな“初めての体験”のキラキラ感に思いを馳せるという、極めて和風な歌詞が印象的なパンク・ソング。掻きむしるかのようなリード・ギターのフレーズが、秋の夕暮れの心象風景を見事に表現して感情を揺さぶる。
10別れはフォークボール
消えていく“彼女”の姿を野球のフォークボールにたとえた歌詞が秀逸な失恋ソング。中間部分でテンポ・チェンジする楽曲の構成が、フォークボールの落ちゆくさまと二重写しになり、別れの喪失感を巧みに紡ぎだす。
11青春狂時代
アコースティック・ギター一本で歌われる、コザック前田の“生涯青春宣言”ともいえるアンセム・ソング。スタジオでのリラックスした雰囲気が伝わってくる名演だ。彼らにしては珍しい英語詞が登場することにも注目!