ミニ・レビュー
“剛紫”名義で発表された「美我空―ビガク〜my beautiful sky」以来、約3年ぶりとなるソロ・アルバム。オーセンティックなファンク・サウンドを基軸にしながら、3.11以降の社会を視野に入れつつ、スピリチュアルとリアルを自在に行き来する独自の音楽世界を展開している。
ガイドコメント
2012年4月11日リリースの、ソロでは剛紫名義作以来約3年ぶり、堂本剛名義では約8年ぶりとなるアルバム。ヒット曲「縁を結いて」の新録ヴァージョンやイベントで収録した「shamanippon〜くにのうた」を含む全11曲の“ふつうよし”盤。
収録曲
01shamanippon〜くにのうた
2012年4月11日にリリースされた、堂本剛の通算7作目となるオリジナル・ソロ・アルバムの冒頭曲。歌詞は“shamanippon”のみのループによる、パーカッションやサックスの音色をフィーチャーしたゴージャスなナンバーだ。
02に ひ
スペーシーかつファンキーなアレンジのバンド・サウンドに官能的なヴォーカルを乗せた、高揚感をあおる展開のロック・チューン。特に後半の高みに上るようなサウンド展開は、繰り返し聴きたくなる中毒性を帯びている。
03The next dimension
重低音の効いたKenKen(RIZE)のベース、うねりまくる堂本本人と竹内朋康(マボロシ)のギター、アグレッシヴな屋敷豪太のドラムが融合した、エモーショナルなインスト。プログレッシヴ・ロックとファンクの要素をふんだんに盛り込んだ展開だ。
04ひとからなにかへと
息遣いまでもマイクに吹き込んだ官能的なヴォーカルとエモーショナルなギター・フレーズをちりばめた、グルーヴィなナンバー。“ひと”と“ひと”の出会い、そして“あい”についてをシンプルに綴った壮大な歌詞が胸を打つ。
05未来への忘れ物
聴き手にそっと寄り添うような優しいピアノの音色と穏やかなヴォーカルが心地よい、ディジュリドゥ風の民俗音楽的なサウンドを盛り込んだバラード・ナンバー。忙しく日々を過ごす人々へ向けたメッセージ・ソングだ。
06I'm you You're me
シンプルな言葉で愛について綴ったロマンティックな歌詞とセクシーなヴォーカルに酔いしれるに違いない、柔らかなピアノの音色を基調としたミディアム・ソング。モータウン風のコーラスも心地よい、R&Bテイストを盛り込んだ楽曲だ。
07きみがいま
恋人に話しかけるようにロマンティックな言葉をちりばめたスウィートすぎるぐらいスウィートなラヴ・バラード。清らかなピアノの音色を基調としたシンプルなサウンドが、情熱的かつセクシーなヴォーカルを引き立てている。
08一鼓動〜1 beat
ホーンのゴージャスな音色が飛び交うにぎやかかつグルーヴィなバンド・サウンドに、ラップのような早口のヴォーカルを乗せた、疾走感あふれるナンバー。ファンキーなアレンジながらも“和”を感じる楽曲となっている。
09…ラカチノトヒ (moon arrange)
アルバム『shamanippon-ラカチノトヒ-』の通常盤(ふつうよし盤)のみに収録のmoon arrangeヴァージョン。ヴォコーダーを使ったメカ風にも聴こえる淡々としたヴォーカルと4つ打ちのエレクトロなサウンドが、絶妙にマッチしている。
10TUKUFUNK (instrumental)
アルバム『shamanippon-ラカチノトヒ-』の通常盤(ふつうよし盤)のみに収録のインスト。ディジュリドゥや三味線のような民俗的なフレーズを取り入れたファンキーなアレンジで、そこはかとなく“和”を感じさせるサウンド展開をみせる。
11縁を結いて (live arrange ver.)
堂本剛名義での4thシングル。日本の美しい風景を描いた、雅を感じさせる歌詞が心に残るバラードだ。ゆったりとしたピアノの音色と優しいヴォーカルが広がる、眠りにつく前に聴きたい癒し効果もありそうな一曲。