ガイドコメント
前作以来約4年ぶりとなる、2014年5月21日リリースのアルバム。本田圭佑出演のオリンパス「OM-D E-M10」CMソング「oh my love」ほか、「念書」「泣きながら」の先行配信曲など、稲葉独自の世界観を凝縮した全12曲を収録。
収録曲
[Disc 1]
01ジミーの朝
哀愁あふれるアコースティック・ギターの調べから幕を開けるフォーキーなナンバー。霧の中からゆっくりと朝陽が顔を出すような穏やかなサウンドの中に、シタールやジャンベの音色が効果的に配され、ミステリアスな空気を生み出している。
02oh my love
本田圭佑出演のオリンパスCMソングとして起用されたミディアム・チューン。片想いの相手に捧げられたささやかな思いが綴られたラヴ・ソングで、ウェストコースト風の乾いたサウンドの中で“いつか君に届けばいい”と自身に語りかけるように歌っているのが晴々しい。
03Cross Creek
“愛”についての自らの持論を、疾走感たっぷりのサウンドに乗せて提示するロック・チューン。B'zのサポート・メンバーを務めるシェーン・ガラスら強者たちがダイナミックな演奏で曲を盛り上げる。ラファエル・モレイラの咆哮と言わんばかりのギター・ソロは興奮もの。
04Golden Road
迷いながらも自分の夢を追い駆ける人々に向けられたハートフルなメッセージ・ソング。お得意のハード・ロックに乗せて放たれる確かな重みを持たせた一つ一つの言葉には、温かい眼差しで背中を押してくれる力強さがある。ライヴでの盛り上がりが期待できる。
05泣きながら
親子間のギクシャクとした複雑な心情をとらえながらも、誰かと繋がることの大切さを温かい歌声で届けたバラード。DIMENSIONの小野塚晃が奏でるピアノとオーケストラの流麗な旋律が、希望的な情景を鮮明に映し出している。
06Stay Free
自身のルーツ・オブ・ミュージックを体現したような熱い魂で打ち鳴らすロック・チューン。“自由ってどんなものでしょう”と自己問答を繰り返す歌詞が印象的で、聴き手をも巻き込む切迫感ギリギリのドライヴ感がたまらない。
07Bicycle Girl
街ですれ違った女性からイメージを膨らませて作り上げたというロマンティックなナンバー。後ろ髪を引かれるような余韻に浸る歌詞とは裏腹に、ソリッドで粗暴さを含んだサウンドは屈強。エキゾティックなフレーズで妖艶な香りをほのかに注入する。
08孤独のススメ
日本屈指のロック・ヴォーカリストが実力を遺憾なく発揮。スピードに秀でたサウンドの中に自らのアイデンティティを刻みつけるような勇猛果敢な姿勢には、セクシーなムードも漂わせる。気持ちを激しく鼓舞する雄々しいコーラスも体温を上げるのには十分だ。
09友よ
大切な友に向けられた思いが切々と綴られたスロー・ナンバー。山木秀夫、納浩一ら一流プレイヤーを率いた厚みのあるサウンドが、華麗なオーケストレーションと絡みながら濃密な空間を演出する。ヨギ・ロニッチが奏でるカントリー風ギターも暖かみのある素敵な響きだ。
10photograph
思い出を封じ込めた“写真”をモチーフにして、過去に愛した人への色褪せない気持ちを描いたミディアム・バラード。セピア調に綴られていくほろ苦いラヴ・ストーリーを、抑制を効かせたヴォーカルと余韻混じりなセンチメンタルなバックサウンドが演出する。
11ルート53
故郷・岡山の“国道53号線”をテーマに、若き日の思いを回想したピースフルなナンバー。重厚に飛び交うコーラス・ワークに華麗なピアノやストリングス、哀愁たっぷりに奏でるブルースハープの音色は、故郷に捧げられたようなカラフルなアレンジで秀逸。
12念書
へヴィなロック・グルーヴに乗せてヴォーカリストとしての揺るぎない決意を歌ったナンバー。“後悔することなく自分の生き方を貫く”という歌詞はシリアスで、胸を締めつけられるほどの切迫感がある。終盤で爆発するロング・シャウトとハーモニカの響きも圧巻だ。
[Disc 2]〈DVD〉〈MUSIC VIDEO〉
01oh my love
02泣きながら
03Stay Free
04念書