ミニ・レビュー
デビューから現在まで、リリースする作品をすべて大ヒットさせてきた嵐。彼らのヒストリー盤ともいえる本作へは、ダンス・ビート/ヒップホップ調/メロウ・チューン/ユーロ系など多彩な表情が収録されている。いずれも一発で耳に馴染むキャッチーさを持っている点はさすが。
ガイドコメント
J−STORM以前、ポニーキャニオン時代のシングルとカップリング曲をすべて収録した2002年5月発表のシングル・コレクション。ベスト的な内容だが、アルバム未収録曲もあり、ファンはぜひ持っていたい1枚。
収録曲
01A・RA・SHI
02明日に向かって
03SUNRISE日本
04HORIZON
基本的に彼らが歌うと、若い人への応援ソングとして絶大な効果をあげそうだというのがよくわかる。しかし曲展開に耳をすましていると、随所にサウンド的に遊びが入っていて、マニアックに聴くこともできる曲だ。
05台風ジェネレーション-Typhoon Generation-
06明日に向かって吠えろ
ノリノリの展開、人懐っこいメロディ、と彼らのキャラクターをすべて象徴するような曲。歌詞の部分においてずいぶんと面白いフレーズが耳をひくのが印象的だが、当人たちはあくまでさわやかなのがまた良い。
07感謝カンゲキ雨嵐
08OK!ALL RIGHT!いい恋をしよう
いつものサウンドとはやや趣を変え、AORやR&Bフレイヴァーをちりばめながら、心地いいナンバーにトライしている。ノリノリ路線とはまた違う、新境地を開拓しているのが印象的だ。
09君のために僕がいる
作詞を担当しているのは、SMAPの「どんないいこと」という名曲を作った大倉浩平。この曲でもちょっと切ないけどポジティヴな世界観を提示し、嵐の表現世界を広げるのに一役買っている。
10はなさない!
シンプルだけどポジティヴなフレーズを繰り返し連呼することで、いつのまにか聴き手の心に何かが残ってしまうナンバー。彼らの曲に共通しているのはそういう雰囲気だ。この曲はそのもっともわかりやすい例。
11時代
珍しくマイナー調のイントロでスタートするが、一転して激しいミクスチャー・ロックが展開される。ヴォーカルにヴォコーダーを取り入れるなど、さまざまな実験が行なわれており、もはやアイドルの歌う音楽ではない。
12恋はブレッキー
インパクトのあるフレーズが次々と押し寄せてくる歌詞やサウンドに驚かされるが、骨格を拾い上げてみると、そこで歌われているのは非常にシンプルなメッセージ。若者らしさが垣間見えるようで、少しホッとさせられる曲だ。