ミニ・レビュー
『ソナポケイズム』第4弾は、淡い春の光を思わせるみずみずしい作品。キャッチーなハイ・トーンとビートを支えるミドル・トーンのツイン・ヴォーカルが縦横無尽に歌うスタイルは、とてもまぶしくせつない。陳腐にならず、有り体にならず、この愚直な自然体を貫くことが彼らの“音楽”なのだろう。
ガイドコメント
2013年2月6日リリースの、ソナーポケットの4thアルバム。「月火水木金土日。」「君と見る未来。」「キミ記念日」といったシングルや2012年春以降の配信曲を収録。切ないラヴ・チューンやアッパー・チューンなど、ソナポケ度満開の渾身作。
収録曲
01月火水木金土日。〜君に贈る歌〜
いつでも側に感じる君の存在への感謝と二人の未来を誓う、“拝啓 親愛なる君へ”の歌詞から始まる手紙のような親密さを持った一曲。疾走感のあるストリングスと軽快なピアノが爽やかなロック・チューンに乗せて、あふれる熱い思いを伝える。
02キミ記念日〜生まれて来てくれてアリガトウ。〜
大切な恋人へ“生まれて来てくれてアリガトウ!”と、心底愛しい気持ちを綴ったバースデイ・ソング。流麗なストリングスの音色と4つ打ちリズムで、幸せな気持ちを盛り上げてくれる。ko-daiとeyeronの軽快なマイクリレーも楽しい。
03失恋〜君は今、幸せですか?〜
まさにタイトルどおり、別れてから相手の大切さに気づいて“君は今、幸せですか?”と心の中で問いかける失恋ソング。ピアノとストリングスの寂寥感あふれる旋律、シリアスかつ情感たっぷりに歌い上げるko-daiのヴォーカルが光るバラードだ。
04サマーデイズ!
小気味よいギター、エレクトリックなドラムでハイパーに展開する楽しいサマー・チューン。心躍る季節に盛り上がっていく二人の恋……。ライヴでタオルをぶんぶん振り回して盛り上がること間違いなしの、開放感あふれる一曲だ。
05NEW WORLD
ネットの世界に縛られ、自分を見失っている人の気持ちを解放するようなシリアスな歌詞が沁みる。いつになくワイルドな二人のヴォーカル、重厚なドラミング、メタリックなギターがスリリングに絡み合うヘヴィ・ロック・チューンだ。
06光り (eyeronソロ)
作詞作曲も手掛けたeyeronのソロ曲。ちょっと気持ちが弱くなって甘えたくなる時、励ましてもらいたい時……そんな気持ちに寄り添うような優しい歌詞がすっと心に入ってくる。ミッド・バラードながらも跳ねるようなリズムが、明るい気持ちにさせてくれる。
07Long Distance Love
遠距離ゆえの寂しさ、距離があるからこそ募る愛しさを“寂しさ×時間”と表現。Cメロのko-daiのファルセット・ヴォイスが切なさを増幅する。ファンキーなギターや跳ねるベース、エレポップなシンセが融合した、アーバンかつカラフルなポップ・ソングだ。
08君と見る未来。
なんと歌詞に“LINE”が登場。等身大のリアルさが若者に共感を呼ぶソナポケらしい、ポジティヴな恋愛ソングだ。ストリングスのエレガントさ、想いを真摯に伝えるヴォーカルは、ウェディング・ソングの新たな定番としても◎。
09応え (ko-daiソロ)
作詞作曲も手掛けたko-daiのソロ曲。“夢を掴みに行くから見とけよ”。男同士の友情、夢を追いかける恋人、いろんなシチュエーションに当てはまる熱い応援歌だ。出会いと別れのシーズンにぴったりのミディアム・バラード。
10命ある限り
失敗や悩みがあっても、みんな同じ明日に向かって生きてるんだ! と聴き手を鼓舞する、疾走感あふれるロック・チューン。強烈にポジティヴなメッセージとあっけらかんとした歌い方が心を軽くする。終盤に出てくる“強く生きるための3つのワード”は聴き逃し厳禁。
11パーティータイム!
陽気なホーン隊、スカ・ビートに合わせて跳ねるピアノ、ko-daiとeyeronの掛け合いも楽しい、頭をからっぽにして音に身を任せたくなるお祭りソング。パーティが終わった後の一抹の寂しさにも似た、Cメロの切ないメロディがいいアクセントになっている。
12花
“君の笑顔の花”を咲かせるために、これから先どんなことがあってもずっと支えていくよという、あたたかな包容力にあふれたミディアム・バラード。壮大なストリングスや感動を誘うメロディ・ラインが光る。映画『ひまわりと子犬の7日間』主題歌。
13365日のラブストーリー。 (アコースティック ver.)
ソナポケの名前を一躍有名にした2011年のシングル曲のアコースティック・ヴァージョン。“いつだって君と一緒にいたい!”というストレートな想いが、ピアノ、アコギのみのシンプルな伴奏に映える。音数が少ないので、いっそうハモリがよく聴こえる。