ミニ・レビュー
突然現れて話題をさらってシングルヒット3曲を飛ばした、新世代ヒップホップの一つの道しるべともいうべきファースト。ルーツはジャム&ルイスというトラック・メイカーの作る80'sっぽいノリと、イマふうのテクノロジーがうまく合体してる。早口ラップも快感。
ガイドコメント
「ウェカピポ」「Flyte Tyme」と、デビュー以来スマッシュ・ヒットを連発してきたSOUL'd OUTの待望の1stアルバム。オリジナルなサウンド・スタイルとパフォーマンスは圧巻だ。
ガイドコメント
「ウェカピポ」「Flyte Tyme」と、デビュー以来スマッシュ・ヒットを連発してきたSOUL'd OUTの待望の1stアルバム。オリジナルなサウンド・スタイルとパフォーマンスは圧巻だ。
収録曲
01Thunder Storm (Intrumental)
記念すべきデビュー・アルバムのオープニング・インスト・ナンバー。オーセンティックなブレイクビーツとドラマティックな響きを持つストリングスを絡めることで、「ここから、何かがはじまる!」という期待感を膨らませてくれる。
02ウェカピポ
新世代アーバン・ヒップホップを牽引する彼らのデビュー曲。ユニークなライミングの交差に、ダンクラ・テイスト満載のサウンドが心躍らせる。強く生きたいヤツはこれ聴いて“Wake Up People”(目を覚ませ!)。
03Interlude:Channel
オールドスクール的な雰囲気を持つ楽曲が、スクラッチ・ノイズ・サウンドのなかへと瞬間的にはさみ込まれるインタールード。わずか15秒で聴く者の意識を覚醒させる、強烈なインパクトを体現した、切れ味とセンスのよさが光るトラックだ。
04SOUL'd OUT is Comin'
“Who's That?!”というシャウトでスタートする、自己紹介的なナンバー。70年代のソウル・ミュージックのエッセンスを感じさせる楽曲で、シャープにキレまくるフロウ、思わず口ずさんでしまいたくなるメロディが見事に一体化している。
05Diggy Diggy Diggy
ファット&ファンキーなリズムに乗って、Diggy-MO'が弾丸ラップを放射しまくる。独特の倍音を含む声質、幅広い音域から生み出されるメロディック・フロウ、抜群の推進力を持つヴァイブレーションが体感できるナンバー。
06円卓の騎士
空間をざっくりと切り裂くスピーディかつ正確なラップが伝えるのは、“どんな状況になろうと、どんな時代に生きていようと、既成の概念に惑わされることなく、自らの道を貫け”という熱いメッセージ。真のヒップホップ・ソウルを体現したといえるナンバー。
07ア アラララァ ア アァ!
Diggy-MO'の独特の破裂的な倍音ヴォイスだけで構成された、英語によるフロウ、というよりアジテーションだ。トラックがなくても、とんでもなく力強いヴァイブスを生み出すスキルに驚かされるが、リリックをじっくり吟味するのも、一興。
08Dream Drive
青空の下、輝く太陽を浴びながら肩を組んで、未来を語り合う……。そんな青春グラフィティのようなポジティヴさが、サウンドや詞に満ちあふれるナンバー。はるかなる地平線に向かって前進するような力強さが感じられる。
09Flyte Tyme (Extended)
心地良い16ビートを刻むギター・カッティング、十分にヘヴィネスをたたえたリズム・アレンジがひとつになった2ndシングル。“WA! シュビドゥバ FEEL ME TONIGHT”というエコーがかった歌い出しが、強烈なインパクトを残すミディアム・ポップ・ナンバー。
10輪舞曲 (ロンド)
タイトル通り、クラシカルなロンドからスタート。ピアノ、アコーディオンなどを効果的に使ったサウンド・メイクのなかで、恋愛の切なさと憂いが入り混じったリリックが舞う、メランコリックな雰囲気が印象的なナンバー。
11GAME
ディストーション・ギターが炸裂し、がっちりと重いビートが全身を貫く、アグレッシヴなダンス・チューン。ロックの要素を採り入れながら、新しい手触りのヒップホップを成立させる、Shinnosukeのセンスが素晴らしい。
12H.B.B Noizzz!
Bro.Hiによるソロ・ナンバー。デビュー当時、すでに「日本のトップレベル」と評されたヒューマン・ビートボックスをたっぷりと堪能できる。肉体が生み出す生々しいグルーヴ、その凄まじさにたっぷりとやられそう。
13See You@Tha HOT SPOT
アルバム『SOUL'd OUT』収録のBro.Hiのヒューマン・ビートボックスを活かした「H.B.B. Noizzz!」からなだれ込むように披露される、オーガニックな響きを持つナンバー。「薄っぺらい連中のことはどうでもいい」と言い放つリリックもはなはだしく強烈。
14Master's Groove (Intrumental)
Shinnosukeによるソロ・ナンバー。ソウル・ミュージックの要素をたっぷりと感じさせるコード・ワーク、どこかAOR的な手触りを持つメロディ、そして、強烈なDJスクラッチが融合した、きわめて個性的なインストゥルメンタルだ。
15Interlude:Break it down
レイ・パーカーJr.の「Hot Stuff」をサンプリングしたトラックをバックに、Diggy-MO'がコール&レスポンス。デビュー時から評価の高いライヴ・パフォーマンスの空気が楽しめる、デビュー・アルバムに収録のインタールード。
16Shut out
ダンス・クラシック・テイストがレールのように敷かれているが、歌謡曲風なメロディを流し込むことによって過度の派手さを抑え、喉元をスッと通るキャッチーなサウンド・プロダクションに技巧を感じるナンバー。
17True to myself
ブラック・ミュージックのエッセンスをJ-POPへとリフォームさせた、ダンサブルなナンバー。スムースに流れていくグルーヴに身を任せているうちに、音楽的な快楽がじんわりと生まれてくるようだ。軽やかにスウィングするフロウも気持ちいい。
18戦士達 天使達〜Livin' for Today〜
金原千恵子ストリングスをフィーチャーした、壮大なスケールを持ったバラード・ナンバー。Diggy-MO'の持つクラシックの素養が伝わるメロディや未来への希望を描いた歌詞が、聴く者の胸を揺さぶってやまない。