ガイドコメント
大ヒット・シリーズ『ザ・グレイト・アメリカン・ソングブック』に続く作品は、ロック・カヴァー・アルバム。1960〜90年代のロック・クラシックスを、ロッドの魅力あふれるヴォーカルで披露する。
収録曲
01HAVE YOU EVER SEEN THE RAIN
8年ぶりの新作、ロック・クラシックスのカヴァー集『グレイト・ロック・クラシックス』オープニング・ナンバーは、CCRの代表曲。数多くカヴァーされた名曲だが、存在感あふれるロッドの「声」が、彼の持ち歌のように再構築されるのに大きな役割を果たしている。
02FOOLED AROUND AND FELL IN LOVE
1976年のエルヴィン・ビショップのカヴァー。イギリス人でありながら雄大なアメリカン・ロックのメロディを声の魅力で軽々と歌いこなし、自分のカラーに染める力量には脱帽。サビでは女性コーラスが華を添えている。
03I'LL STAND BY YOU
94年のプリテンダーズの曲をカヴァー。ピアノのみを伴奏とするオープニングから、バンドが加わり次第に盛り上がっていく。ロッドのヴォーカルのつぶやくような繊細さや叫ぶような力強さを味わえるナンバーだ。
04STILL THE SAME
ロッド同様ハスキー・ヴォイスで知られるボブ・シーガーのカヴァー。年齢を経てシブ味を増したものの、今なおワイルドなロッドのヴォーカルがこの可憐なメロディを歌うと、不思議と胸を締めつけられるような甘さが漂う。
05IT'S A HEARTACHE
“女版ロッド・スチュワート”とも言われたボニー・タイラーのカヴァー。恋に傷ついた心が歌われているが、ハモンド・オルガンやマンドリンのノスタルジックな響きがカラリと癒してくれる。明るくやり直したいときにお薦めの1曲だ。
06DAY AFTER DAY
フェイセズ時代のロッドとツアー経験もある、バッドフィンガーの1976年の曲をカヴァー。オリエンタルな雰囲気のギターや流れるようなサビのメロディには、当時のブリティッシュ色が濃いが、ロッドの声が時代を超えた色に染めている。
07MISSING YOU
AOR界で活躍したジョン・ウェイトの、84年のミディアム・ナンバーのカヴァー。明るいメロディの中にほんの少しの悲しさを潜ませるといった、繊細な機微をつかみ取るような歌唱をこなせるのは、ロッドなどの大人の風格を持つヴォーカリストだけだろう。
08FATHER & SON
1971年リリースのキャット・スティーヴンスのカヴァー。少し反抗的な年頃の息子とそれを見守る父との語らいが、しっとりと歌われている。ロッドの声の野性味は抑えられ、教え諭すような雰囲気に慈愛が満ちているナンバーだ。
09THE BEST OF MY LOVE
ウエストコースト・ロックの代表的グループ、イーグルスの1974年のナンバーのカヴァー。ブルージィなミディアム・ロックを、伸びのあるスティール・ギターの音色が甘く彩る、心くつろぐ1曲だ。
10IF NOT FOR YOU
ロッドが数多くカヴァーしているボブ・ディランだが、これは1970年のシンプルなラブ・ソング。フォーク特有の陰りを残した可愛らしいメロディに、肩の力の抜けたロッドのヴォーカルがピタリとハマっている。
11LOVE HURTS
オリジナルはエヴァリー・ブラザーズの、これまで多くのアーティストにカヴァーされてきた親しみやすいナンバー。アコースティック・ギターの導入がロッドのヴォーカルを際立たせている。ゆったりと盛り上がっていくサウンドが心地よい。
12EVERYTHING I OWN
1972年のブレッドによるロック・バラードをカヴァー。アンディ・ウィリアムスやイン・シンクなど、多くの人々にカヴァーされてきたスタンダード・ナンバーだ。恋の想い出を、ストリングスをバックに切々と歌いあげてる姿に感動。
13CRAZY LOVE
1970年のヴァン・モリソンがオリジナル。ソウルにも通ずるメロディがスウィートなバラード。イントロはギターのみでシンプルだが、サビでは女性コーラスが華やぎを添えている。はかない愛を象徴するようなハモンド・オルガンも印象的だ。
14LAY DOWN SALLY
アルバム『グレイト・ロック・クラシックス』のボーナス・トラックは、エリック・クラプトンの1977年の軽快なカントリー調ロック曲のカヴァー。“ロック・スター”ロッドはこの曲でも、衰えることないパワフルな歌声を聴かせている。