ミニ・レビュー
生身の人間なら、きっと何かを感じるメロ、サウンド、世界観のダイナミズム。沖縄出身のノンプロ・バンドにして、今や全国的な人気を誇る6人による初のフル・アルバムは、パンク、ヒップホップ、ロック、ポップスを網羅しつつ、体の芯に圧倒的な気持ちよさを浸透させる。★
ガイドコメント
出身地・沖縄“東屋慶名”のキャピタル文字をとって“HY”という5人組。地域限定盤とインディーズ盤で30万枚を売り上げた1stから1年、ついに2ndアルバムが完成。ピュアで自然なスタイルがうれしい。
ガイドコメント
地域限定盤とインディーズ盤で30万枚を売り上げた1stから1年。音楽シーンに一石を投じるHYの2ndアルバムが完成。卓越した音楽性がさらに際立ち、ミクスチャーの枠をも破壊する。
収録曲
01AM11:00
優しい光にそっと包まれるような鍵盤の音色が印象的なイントロとして鳴り響く、ほのぼのとした温かさを放つ楽曲だ。メイン・ヴォーカル以外にドラムや鍵盤担当の女性が交替で歌を披露しながら展開していく流れは、HYならではの魅力を詰め込んだ人気曲。
02隆福丸
リズミカルなギターが心地いい躍動感を運び、楽曲全体にも晴れわたった青空のような明るいテイストを感じさせる。「迷わず行けばいいさ」という歌詞は、曲調の持つ前向きさを象徴する言葉として耳に残る。ちなみに曲名は「りゅうふくまる」と読みます。
03トゥータン
カラフルな鍵盤の音色が楽曲を引っ張り、パンチ力のあるバンド・サウンドが土台をしっかりと支えている。男性/女性ヴォーカルが交替で歌い上げ、ユニゾンでハモる場面も多く、聴き手にシンガロングを促す歌詞を含めて活気付けられる楽曲だ。
04男前
05コントロール
06かなぶんの羽
07あなた
シンプルな鍵盤の響きをメインに、女性ヴォーカルの独唱形式をとった感動的なバラード調ナンバー。好きな異性に思いを馳せ、胸を締め付けられそうな切ない心情を注入した、メランコリックなラヴ・ソングの決定打的楽曲だ。
0833ナンバー
09DREAMING
10
11さあ行こう
彼らが生まれ育った沖縄の壮大な空、海、風土を思わせるバラード調のミディアム・ナンバー。男女の恋愛をテーマに切々と歌い上げていくヴォーカル、胸に染み入るようなオーガニックな楽曲の音色、すべてが美しいドラマとなって鳴り響いている。
12Street Story
琉球音階を爪弾く三線(さんしん)のイントロが効果的で、彼らの楽曲の中では珍しく沖縄テイストを色濃く打ち出している。ほかにも曲中で沖縄民謡の合いの手には欠かせない指笛を挟んだりなど、お祭り的な高揚感に満ちたノリの良さが最高だ。