ミニ・レビュー
男女デュオ・ユニットの8作目となるアルバム。サウンドのテクスチャーに荒さと重さを加えたエレクトロ・ディスコ・トラック集に仕上げられている。配信にも積極的ながら、初回のみと思われるノベルティを含めたパッケージとしての凝り方も見事。
ガイドコメント
『FRUITS CLiPPER』から半年で登場の、capsuleの8thアルバム。従来のポップな持ち味はそのままに、スピード感が加わった、フロア仕様のエレクトロ・ダンス・ミュージックが楽しめる。
収録曲
01Welcome to my world
演奏時間わずか14秒のイントロダクション。アルバム『FRUITS CLiPPER』から押し進めたクラブ・ミュージック的アプローチをさらに深化させた、アルバム『Sugarless GiRL』の所信表明といえるナンバーだ。
02Starry Sky
2006年末に、アナログ12インチ・シングルとしてリリースされたナンバー。フロア仕様のエレクトロ・ダンス・ミュージックに、アグレッシヴなロック・テイストをプラス。ビート感あふれるトラックに仕上がっている。
03REALiTy
04Sugarless GiRL
アコースティック・ギターが奏でるメロウなイントロから一転、ゴキゲンなガーリー・エレクトロ・ミュージックに急旋回。こしじまとしこのスウィートなヴォーカルが、流れ星のようなトキメキ&キラメキ感を醸し出すナンバーだ。
05Catch my breath
アンダーワールドの名曲「カウガール」にも近接した、“ロック meets テクノ”なビッグ・ビートが、リスナーの脳をシゲキしまくり。フロアを熱狂させること必至の、クラブDJ御用達エレクトロ・ダンス・ナンバー。
06Spider
硬質なビート、ロック・テイストなギター・サウンド、ポップなメロディ。これらが三位一体となった音楽設計は、あらゆるエレクトロニカ・ミュージックをボーダーレスに横断するcapsuleならでは。イントロからキテます。
07MUZiC
capsuleらしいキュートでポップなエッセンスがちりばめられた、スペーシーなエレクトロ・ハウス。ヴォコーダーを積極的に使った音楽設計は、フレンチハウス・シーンを牽引するダフト・パンクにも似た手触り。
08Melting point
ハード・エッジなエレクトロ・ダンス・ミュージック満載のアルバム『Sugarless GiRL』のなかで、美しいピアノ・ソロの調べがほっと一息つかせるトラック。このインタールードを挟んで、アルバムはさらにその加速度を増していく。
09Sound of Silence
アルバム『Sugarless GiRL』でのインタールード「Melting point」を受けた、柔らかなソフト・シンセがふわふわとした浮遊感を演出するフィルター・ハウス。キャッチーなメロディが脳内をループしまくるのでご注意を。
10Secret Paradise
アルバム『Sugarless GiRL』のラストは、ファンキーでソリッドなベース・ラインがいやがおうにもリスナーの腰をくねらせる、ディスコティークなダンス・トラック。レトロ・フューチャー感が音の隅々にまで行き届いている。