ガイドコメント
中学校の教科書にも掲載されているという名曲「夜空ノムコウ」、SMAP提供曲の「ココニイルコト」のセルフ・カヴァー・ヴァージョンを収録したバラード・アルバム。注目盤。
収録曲
01マーメイド
大人だからこそ感じる絶望と希望を描き続けてきたスガシカオの本領が存分に発揮された、イノセンスの喪失を歌い上げるミディアム・チューン。音響系を通過した繊細な電子音が、ミステリアスな雰囲気を醸し出す。
02ユビキリ
森高千里に提供した「まひるの星」を、自作の歌詞に書き換えたセルフ・カヴァー曲。大人になった現在の視点から学生時代を振り返る珠玉のラブ・バラードだ。スライド・ギターの音色が、いつまでも心に残る夏の日の思い出を描き出す。
03夜空ノムコウ
作詞家としてスガシカオの知名度を一躍全国区に押し上げた、SMAPの大ヒット曲をセルフ・カヴァー。歌詞の意味を一語一句噛みしめるかのような丁寧な歌唱は、作者だからこそ。しっとりとしたストリングスがさらなる感動を呼ぶ。
04ぬれた靴
スガシカオのバック・バンドであるファミリー・シュガーの面々との息の合った演奏が楽しめる、ヘヴィ・ボトムなファンク・ロック。2000年10月発表の10thシングル「AFFAIR」のカップリングとして収録。
05夏祭り
スガシカオ自身が奏でるアコースティック・ギターと、森俊之によるアコースティック・ピアノがゆったりとしたグルーヴを生み出すミディアム・バラード。99年8月発表の8thシングル「あまい果実」のカップリングとして収録。
06ココニイルコト
SMAPへの提供楽曲をセルフ・カヴァー。フィンガー・スナップの音が心地良い、自演ヴァージョン。99年6月発表の7thシングル「夜明けまえ」のカップリングとして収録され、同名映画のテーマ曲としても使用された。
07バクダン・ジュース (オリジナル)
音圧に頼らないエレクトリック・ギターが腰に絡みついてくるファンク・チューン。97年11月発表の4thシングル「愛について」のカップリングとして収録。『FAMILY』に収録された同曲のオリジナル・ヴァージョン。
08ひとりぼっち
アコースティック・ギターの繊細なアルペジオと一気に爆発するサビが、狂いそうなほど“ひとりぼっち”な世界を巧みに演出。97年2月発表の1stシングル「ヒットチャートをかけぬけろ」のカップリングとして収録。
09うきぶくろをもって
中音域を強調したストリングスの音色と、左チャンネルに置かれたドラムスが1960年代風な雰囲気を醸し出すポップ・ソング。97年7月発表の3rdシングル「ドキドキしちゃう」のカップリングとして収録。
10これから むかえにいくよ
右チャンネルに置かれたアコースティック・ギターの鋭いコード・カッティングと、左チャンネルに置かれたワウ・ギターの絡みが狂おしいほどファンキー! 97年5月発表の2ndシングル「黄金の月」のカップリングとして収録。
118月のセレナーデ
アルバム『Sugerless』収録のシングル曲。美しいストリングスに思わずうっとりしてしまうような雰囲気だが、そこはスガシカオ。うっとりどころかじっとりした屈折感がなぜか心地よく感じられる。
12Room201
スペイシーな音空間の処理で表現される真夜中の鬱屈の中で、さまざまな“つまらないこと”を考えながらこれからの人生に思いを馳せる、物寂しげなバラード・ナンバー。アニメ『ハチミツとクローバー』の挿入歌としても使用された。
13坂の途中
人生の歩みを坂を登る姿にたとえた、ユーモラスかつ優しい応援歌。ゆったりとしたテンポと柔らかいストリングスの音色が、歌の世界観と絶妙にマッチ。98年5月発表の5thシングル「ストーリー」のカップリングとして収録。