ガイドコメント
2013年6月19日リリースのカヴァー・アルバム。テレビ朝日系『関ジャニの仕分け∞』の「カラオケの得点対決」で話題となった楽曲を含む、ミドル〜バラードにリアレンジした夏のヒット曲を情感豊かに歌う。May J.の真の歌唱力が堪能できる一枚だ。
収録曲
01Precious
映画『LIMIT OF LOVE 海猿』主題歌となった伊藤由奈の2006年の3rdシングルをカヴァー。“信じる”という強い意志を高らかに歌ったラヴ・ソングだが、その意図を真摯に受け継いだやわらかくも情熱的な歌唱を披露している。
02島唄
THE BOOMにより世界的に知られることとなった琉球調歌謡のカヴァー。May J.もヴィブラートを駆使したヴォーカルで、悠久さを感じさせる南国気風を醸し出している。DIMENSIONの小野塚晃がピアノを担当。
03渚
タイトルの雰囲気を描いたようなボッサ風のイントロをアクセントにしたアレンジが奏功。爽やかな涼風を想起させるバンド・サウンドに乗せ、リラックスしたヴォーカルが心地よく響きわたる。96年にヒットしたスピッツのカヴァー。
04First Love
99年にヒットした宇多田ヒカルの名バラードのカヴァー。宇多田16歳時の歌だが、May J.は大人らしく感情のバランスを整えたヴォーカルで、この悲しいラヴ・ソングを披露。May J.の歌唱力と宇多田の才能を再認識させられる。
05LIFE
マルチリンガルのMay J.にとって英語パートはお手のもの。元来、R&B/ヒップホップ畑からの出だけに、ラップ調フレーズも痛快だ。大島浩介のグルーヴィなアレンジも効いている。“泣きたくて笑いたくて”のフックが印象的なキマグレンの2007年のヒット曲。
06夏祭り
多くのカヴァーを生んだJITTERIN' JINの90年の楽曲を、夏らしいボッサ調にリアレンジ。エッジの効いた縦ノリの原曲を、シャレたジャジィなムードで描いたのは大正解。大人のカヴァーとして楽しめる。
07波乗りジョニー
桑田佳祐が2001年に発表した6thシングルで、「コカ・コーラ」CMソングとしても茶の間を賑わせたナンバー。桑田のような渋みやいなせなところがない代わり、ファルセット使いのフレッシュで伸びやかな歌唱が楽しめる。
08白い雲のように (with クリス・ハート)
藤井フミヤ・尚之兄弟が書き下ろした猿岩石の大ヒット・ナンバーを、TV番組で一躍人気となったクリス・ハートとデュエットでカヴァー。原曲は素朴さがウケたが、高い歌唱力の二人により、メロディの素晴らしさをあらためて実感。爽快な聴後感が残るバラードだ。
09secret base〜君がくれたもの〜
“君と夏の終わり、将来の夢〜”の名フレーズで知られるZONEの2001年の代表曲を、より夏っぽくゆったりとしたレゲエ調でカヴァー。ファルセットを駆使したピュアなヴォーカルで、瑞々しさとセンチメンタルを絶妙な加減で描写している。
10少年時代
90年発表、井上陽水によるエヴァーグリーンな名曲のカヴァー。名曲には小細工は要らないといわんばかりに、シンプルにア・カペラで披露。手のひらで包み込むような優しい温もりが伝わるアレンジも、May J.の歌唱力あってこそだ。
11ハナミズキ
一青窈による2003年の名曲バラード。“薄紅色の可愛い君のね”の琴線に触れるフレーズも、ストリングスを配した流麗で奥行きのあるアレンジが奏功し、絶妙の情感の歌唱をいっそう輝かせている。涙腺を濡らす好カヴァーだ。
12I DREAMED A DREAM
スーザン・ボイルや華原朋美も歌った、「夢やぶれて」の邦題で知られるミュージカル『レ・ミゼラブル』劇中歌。クライマックスへ向けてダイナミックに迫るドラマティックな展開に臆せず、彩り豊かな声色で歌いあげる。