ガイドコメント
誰もが一度は耳にしているであろう「サンシャイン」、ジェフ・ベックのために書かれた「迷信」などスティーヴィーの代表曲が数多く収録されている音楽史に輝くモンスター・アルバム。
収録曲
01サンシャイン
02メイビー・ユア・ベイビー
70年代にはスティーヴィーの代名詞でもあった楽器、クラヴィネットをフィーチャーしたヘヴィなファンク・チューン。ヴォーカルとコーラスとの絡みが絶妙。レイ・パーカーJr.のギターも光る。洗練と泥臭さが反発せずに共存できる世界はスティーヴィーならでは。
03ユー・アンド・アイ
印象的なメロディのラブ・バラード。リリースと同時にスタンダードになりそうなタイプの曲だが、オーソドックスなピアノに絡むシンセサイザーのフレキシブルな使い方がいかにもスティーヴィーらしい。豊かな音楽的素養と斬新な発想とのコラボレーションによる秀作。
04チューズデイ・ハートブレイク
ワウ・ギターとクラヴィネットを効果的に使ったミディアム・テンポのファンキーなポップ・ソング。スティーヴィーのマイペースなヴォーカルが秀逸。デニース・ウィリアムスらの女声コーラスも好サポート。デヴィッド・サンボーンのサックス・ソロも楽しめる。
05バッド・ガール
シングル「迷信」のB面収録曲。ラテン調のリズムとジャジィなタッチが心地良いポップ・ソング。エレクトリック・ピアノやシンセサイザーの使い方も見事だが、ヴォーカルとコーラスとの絡みが特に楽しい。ダニエル・ベン・ゼブロンのパーカッションも好サポート。
06迷信
07ビッグ・ブラザー
十八番のハーモニカをフィーチャーしたアンプラグドなタッチのポップ・ソング。牧歌的な雰囲気のサウンドだが、実は辛辣なメッセージを含むプロテスト・ソング。しかし、音楽的にはピースフルで、スティーヴィの歌声も穏やかに響いている。
08ブレイム・イット・オン・ザ・サン
ピアノをフィーチャーしたアンプラグドなサウンドとコーラスを従えた、スティーヴィーらしい豊かな情感をたたえたバラード。失われた愛について、さまざまな言い訳を並べながら、最終的にはすべては自分のせいだと認める歌詞も彼らしい。
09アナザー・ピュア・ラヴ
後年のAORを先取りしたかのような、メロウなフュージョン・サウンドが楽しめるバラード。ジェフ・ベックとバジー・フェイトンによるツイン・リード・ギターがフィーチャーされている。洗練されたサウンドに彩られた濃厚な音楽性をじっくりと堪能できる贅沢な1曲。
10アイ・ビリーヴ
美しく簡潔だが的確で力強いサウンドをバックに、真実の愛について歌ったバラード。余計な力を入れず、シリアスになり過ぎることもない姿勢がいかにもスティーヴィーらしい。リラックスした雰囲気の中での自然体の歌声が心地良く響く。最良の中庸がここにはある。