ミニ・レビュー
『JELLYFISH&CHIPS』以来、オリジナル・アルバムとしては約4年ぶり。3、8、12曲目といったシングル曲で、煽った期待を裏切らない仕上がりとなっている。内包した熱いパッションを解き放ち、縦横無尽に駆けめぐるヴォーカルの持つ存在感。とてもエモーショナルでロックな一枚。
ガイドコメント
吉川晃司の通算16枚目となるオリジナル・アルバム。シングル「サバンナの夜」「ベイビージェーン」で採り入れたグルーヴィなダンス・ロックを基本に、かつてないほどのメロディアスなサウンドを提示している。
収録曲
01TARZAN
ワイルドかつセクシーなヴォーカルが炸裂。激しいギター、ノリのいいダンサブルなキーボード、躍動するリズム隊など、アグレッシヴに攻めるサウンドは疾走感たっぷり。ひたすら突き抜けた踊れるロック・チューンだ。
02プレデター
激しくかき鳴らされるギター・リフがかっこよく響く、ドラマティックでダンサブルに展開するビートの効いたロック・チューン。エッジの立ったエモーショナルなヴォーカルが刺激的で、胸の鼓動が自然と高まっていく。
03ベイビージェーン
柔らかなメロディ・ラインがちょっと懐かしさを感じさせる、ダンス・ビートを取り入れたメロディアスなポップ・チューン。とてもグルーヴィで爽やかで、“Check it〜”というリズミカルなフレーズがクセになる。
04Honey Dripper
ドラムに菊地英二、ベースに松井常松、ギターは弥吉淳二という、そうそうたるミュージシャンをバックに展開するソリッドなロック・チューン。リリックの内容と相まって、いっそうセクシーなヴォーカルが顔を覗かせている。
05MODERN VISION 2007
布袋寅泰とのユニット、COMPLEXのナンバーをセルフ・カヴァー。シャープさを増したサウンド・デザインで、菊地英昭のギター・ソロも激アツ。2007年の吉川のエッセンスをまぶした、より進化したハード・チューンだ。
06Love Flower
まるで耽美系ロック・バンドのナンバーかと思わせる、ゾクっとする色気のあるヴォーカルとダークでコアなサウンドに引き込まれる。サビのファルセットが美しい、ゆったりとしたリズムで愛を刻むスロー・バラードだ。
07ジャスミン
モータウン系のサウンドが爽やかに響く。家を飛び出し春の陽光を浴びる、そんなウキウキした気分にさせてくれる抜けのいい明るいヴォーカルに、吉川の新しい顔をみることができる。リズミカルで躍動感あふれるポップ・チューンだ。
08サバンナの夜 (ALBUM MIX)
めくるめくディスコ・ビートが灼熱の夏を体感させ、尖ったヴォーカルが心を激しく揺り動かす。踊れ、叫べ、恋をせよ。夏はいつでもダイナミックでエネルギッシュなのだ。吉川が送るホットでアッパーなダンス・チューン。
09Banana Moonlight
女性コーラス(Jam)にギター、ベースがねっとり絡みつつ、コアな世界が繰り広げられる。ある種トランス状態に陥りそうなクセのあるサウンドとタメのあるヴォーカルで、聴くものの感性をくすぐるゆったりとしたナンバーだ。
10ONE WORLD (ALBUM MIX)
吉川のヴォーカルが自然と入り込んでくる、スケール感のあるパワー・バラード。斉藤ネコのストリングス・アレンジが楽曲の世界観を広げている。劇場版『仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』(2006年)主題歌。
11ムサシ
吉川のストイックな佇まいは時として侍を彷彿とさせるゆえ、ムサシというタイトルも納得できる。ちょっとユーモラスで芯のある前向きなリリックが実にリアルな、キャッチーでダイナミックなロック・チューンだ。
12Juicy Jungle (ALBUM MIX)
吉川(K2)とDISCO TWINS(DJ TASAKA+KAGAMI)が合体して生まれた“DISC K2 TWINS”が放った新感覚テクノ・ポップを、よりヴォーカルの輪郭をクリアにして次なる方向性を示したシングルのリミックス・ヴァージョン。Jamと瀧川一郎がコーラスで彩りを添えている。