ガイドコメント
チバユウスケ率いるThe Birthdayの2ndアルバム。ハイテンションなロック・チューンや美しいメロディが光るミディアム・ナンバーなど、幅広い音楽センスが発揮されている。
収録曲
01バブスチカ
ゆったりとしたギターとドラムが繰り返しリズムを刻むなか、不穏な雰囲気を漂わせるロックンロール・ナンバー。エキセントリックなギター・ソロを交え、地底から響くようなヴォーカルがせつなく愛を伝えている。
02プレスファクトリー
軽快なヴェンチャーズ風のエレキ・サウンドを、全編マイナー調で演奏しているような雰囲気のロック・ナンバー。弾けそうで弾けきれないもどかしさを感じながら、だるいヴォーカルがドラッギーな世界を漂っている。
03LOVERS
ブルース・テイストを取り入れた重く引きずるようなロック・ナンバー。渋いギター・ソロのフレーズが夢の中で遠くに響いているような雰囲気のサウンドの上を、しゃがれた声で二人きりの歪んだ愛の世界をシュールに描いている。
04アリシア
ギターが舞いドラムとベースが弾むロックンロール・ナンバー。その軽やかなサウンドを無視するように、ヴォーカルが重く激しくシャウトする。このミスマッチ感が“アリシアの願い”の行く末を示しているようだ。
05BABY TONIGHT
パワフルなブギのリズムでひたすら迫りくるライヴ感覚たっぷりのナンバー。官能的なギター・ソロや激しくシャウトするヴォーカルが、逃亡という緊迫感に満ちたシーンをスリリングに表わしている。
06STRIPPER
クハラカズユキ独特のあおり気味のドラムが全体を支配しているクールなロック・チューン。ギターが気持ちよくフレーズを奏でるなかで、感情の赴くままのヴォーカルが、徐々にエキサイトしながら幻想的な世界を叫んでいく。
07LUST-チェリーの入ったリンゴ酒を見て想うこと-
各パートがアドリブ風フレーズを奏でながら、ゆったりとした雰囲気を漂わせたバラード。“リンゴ酒に溶けてゆくチェリー”という、いかにも英国風な情景を描きながら、揺れ動く心の内を表わしている。
08ジェリーの夢
彼らには珍しい物語風のミディアム・フォークロック・ナンバー。英国の古城か荘園の古い屋敷に住んでいるジェリーの、そこにはお化けがいてしゃべらないオウムが住む……という夢の世界を、幻想的に歌っている。
09タランチュラ
歌モノというような感じで、サウンドは一歩引いて自由気ままに楽しみながら演奏しているよう。ヴォーカルのチバユウスケが、毒グモタランチェラになりきって、毒々しくコミカルに歌っているのが面白い。
10モンキーによろしく
60年代ロックを思わせるエコーを効かせたようなギター・アンサンブルが印象的なロック・チューン。ブルー・スウェード、トロピカーナ・ドリンク、ディランなどのフレーズをちりばめ懐かしい世界を描いている。
11KAMINARI TODAY
ゆったりとしたグルーヴが渦を巻くようなブルース調ロック・ナンバー。少年から大人の男へと成長していく過程での不安感に真正面から向かい合い、叫ぶというより怒鳴るように歌う。映画『クローズZERO』の劇中歌。