ミニ・レビュー
『器楽の技法』と題された特別なアルバムはすべてが偉大な音楽家へのトリビュートだ。かつてグールドは、クレーメルとの“演奏の仕方や作品へのアプローチ”の相似性について認める発言をしていたとされる。そしてクレーメルはグールドの解釈を“唯一無二”と讃える。清々しい“聴”後感。★
ガイドコメント
グレン・グールド没後30年記念アルバム。クレーメルとクレメラータ・バルティカの共演で、革新的な音の技法といえる鮮烈な演奏を披露。グールドの音楽性に傾倒するクレーメルの思いが詰まった一枚だ。
収録曲
01J.S.バッハに捧ぐ〜ヴァイオリンと“エコー”のための (V.シルヴェストロフ)
02ゴルトベルク変奏曲BWV988よりアリア〜ヴァイオリン、ヴィブラフォンと弦楽のための (ペレーツィス)
03平均律クラヴィア曲集より前奏曲とフーガ ニ短調BWV851〜弦楽のための (ラスカトフ)
043声のインベンション (シンフォニア)第9番へ短調BWV795〜ヴァイオリン、フルート、パーカッションと弦楽のための (A.ウスティン)
05チェンバロ協奏曲へ短調BWV1056より第2楽章〜ヴァイオリンと弦楽のための (ヴァイン)
06平均律クラヴィア曲集より前奏曲とフーガ イ短調BWV889〜フルート、オーボエ、チェンバロと弦楽のための (R.シャルクシュニーテ)
07バッハへの架け橋〜ヴァイオリン、フルート、オーボエ、ピアノ、ヴィブラフォンと弦楽のための (G.カンチェリ)
08パルティータ第6番ホ短調BWV830よりサラバンド〜ヴァイオリン・ソロと弦楽六重奏のための (L.デシャトニコフ)
09平均律クラヴィア曲集より前奏曲とフーガ嬰へ短調BWV883〜ヴァイオリン、チェンバロ、マリンバ、ヴィブラフォンと弦楽のための (V.ポレーヴァ)
10アフター・グールド-ゴルトベルク変奏曲 (No.30、19、4、18、22、26)/A.シェーンベルク-インテルメッツォ〜ヴァイオリンと弦楽のための (ティックマイエル)
11ゴルトベルク変奏曲BWV988よりアリア〜ヴァイオリン、クロテイル、オーディオテープと弦楽のための (キシーヌ)
演奏
ギドン・クレーメル(VN) クレメラータ・バルティカ