ミニ・レビュー
『劇場版マクロスF サヨナラノツバサ』の挿入歌を集めたアルバムで、菅野よう子がプロデュースとほぼすべての作曲を手掛けている。壮大でシンフォニックなアレンジが目立ち、アッパーな曲調が高揚感を誘う。佐野康夫、今堀恒雄といったミュージシャンの派手な演奏も聴きもの。★
ガイドコメント
映画『劇場版 マクロスF サヨナラノツバサ』の“ネタバレ”アルバム。歌がキーになっている“マクロス”シリーズだけに、収録曲はいずれもハイクオリティ。the end of“triangle”のタイトルも意味深な、菅野よう子プロデュース作。
収録曲
01禁断のエリクシア
アニメ映画『劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』のサントラの冒頭曲。ヴォコーダーを使ったセクシーなシェリル・ノーム starring May'nのヴォーカルとドラマティックな展開のメロディが、めくるめくストーリーを暗示させる。
02the isle of mayan
壮大なオーケストラ・サウンドによるインストゥルメンタル。早朝の静けさのような、これから何かが起こりそうなことを予感させる、麗らかで清々しいナンバーだ。わずか1分半の楽曲ながら、物語の幕開けにふさわしい存在感のある仕上がり。
03虹いろ・クマクマ
冒頭の“リラメル ララメル ラン ルラ ラン”を繰り返す、キュートなランカ・リー=中島愛の歌声とメルヘンチックなメロディが絶妙にマッチしたポップ・チューン。歌詞もメロディに勝るとも劣らないほど幻想的で、とろけるように甘い仕上がりだ。
04恋はドッグファイト (FIRST LIVE in アトランティスドーム)
ランカ・リー=中島愛が歌う、スペーシーな電子音のスパイスが効いたポップ・チューン。とびっきりキュートな“ミラクル クルクル”というコーラスとキャッチーなメロディ、疾走感あふれるサウンドが高揚感をあおる名曲だ。
05アイ君と私
素朴で穏やかなピアノの音色とフルートが奏でる、たゆたうようなメロディが心地よいインストゥルメンタル。暖かい春の陽射しを想像させる、のんびりとしたホッとくつろげるナンバーだ。癒しの時間を演出してくれる。
06星間飛行 (LIVE in アルカトラズ)
ランカ・リー=中島愛が歌う、松本隆作詞、菅野よう子作曲による80年代テイストのアイドル・ソング。アニメ映画『劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』で披露されたライヴ・ヴァージョンで、“みんなで!”というランカの掛け声や観客の声援が熱い。
07Get it on〜光速クライmax
シェリル・ノーム starring May'nとランカ・リー=中島愛のふたりによる、疾走感あふれるリズミカルなロック・ナンバー。青空のようにスッキリとした歌詞も爽快な、思わず走り出したくなることうけあいの一曲。
08ねじれトラウマ
パイプオルガンの厳格かつ幻想的なオープニングで幕を開けるインストゥルメンタル。ヴァイオリンが奏でる、崇高で美しい、しかし少しの不安をかき立てるようなメロディに引き込まれる。ストーリー性のあるナンバーだ。
09島アイモ
古くから伝わるケルトやアイリッシュの民族音楽のような、淋しげで神秘的な趣のあるメロディが印象的な楽曲。ランカ・リー=中島愛の透明感あふれるまっすぐな歌声がとてもよく似合う、ピュアで優しいナンバーに仕上がっている。
10放課後オーバーフロウ
恋する気持ちのワクワクとドキドキ、そして切なさを表現した、ランカ・リー=中島愛が歌うラヴ・ソング。“放課後別れたら明日は もう会えないかもしれない”というどうしようもなくセンチメンタルな歌詞を、とてつもなくポップなメロディに乗せた名曲だ。
11ワイルダーズ
マーチのリズムに壮大かつ幻想的なオーケストラ・サウンドを乗せたインストゥルメンタル。青空の下で前を向いて進んでいくようなイメージを抱く、ポジティヴな印象のナンバーだ。作曲はもちろん、これまでのマクロス・シリーズを手がけてきた菅野よう子。
12娘々Final Attack フロンティア グレイテスト☆ヒッツ!
安井かずみ作詞、加藤和彦作曲の「愛・おぼえていますか」をはじめ、「ノーザンクロス」「虹いろ・クマクマ」など、シェリル・ノーム starring May'nとランカ・リー=中島愛のふたりが歌う6曲のメドレー。躍動感にあふれたアレンジだ。
13サヨナラノツバサ〜the end of triangle
映画のタイトルを冠した、躍動感に満ちたオーケストラ・サウンドの「サヨナラノツバサ〜the end of triangle」ほか3曲のメドレー。シェリル・ノーム starring May'nとランカ・リー=中島愛のコーラスの掛け合いも聴きどころ。
14ホシキラ
ランカ・リー=中島愛がささやくように歌う、ロマンティックなバラード・ナンバー。タイトル然り、銀河や宇宙、星といったスペイシーな単語を多用しながら胸いっぱいの乙女心を表現した歌詞が、とても切なくていじらしい。
15dシュディスタb
何か楽しいことが始まる予感に満ちた、ポジティヴで元気いっぱいのポップ・ナンバー。パワフルで畳み掛けるようなシェリル・ノーム starring May'nのヴォーカルと、キュートで伸びやかなランカ・リー=中島愛の歌声の対比を楽しめる。
16F refrain
安井かずみ作詞、加藤和彦作曲の「愛・おぼえていますか」の一部が曲中でかかる、雄大かつ静寂なオーケストラ・アレンジのインストゥルメンタル「F refrain」。ひなたぼっこをしていたらウトウトしてしまったときのような、心地よい作品だ。
17ダイアモンド クレバス〜thank you、Frontier
ハープのきらびやかな音色が冴える「ダイアモンド クレバス」のオーケストラ・アレンジ・ヴァージョン。温もりあふれる楽器の音色が、シェリル・ノーム starring May'nの切々としたヴォーカルを際立たせている。