ガイドコメント
世界的な人気を誇るロック・バンド、リンキン・パークによる2014年6月リリースの6枚目のオリジナル・アルバム。伝説的なラッパー、ラキムをフィーチャーした先行シングル「ギルティ・オール・ザ・セイム」を含む、注目の一枚だ。
収録曲
01KEYS TO THE KINGDOM
サビのフレーズでもある、“No control/No surprise〜”という闇を切り裂くようなシャウトで幕を開ける強烈なロック・チューン。シンプルかつヘヴィなリフを軸にしつつ、静と動を巧みに使い分けてダイナミズムを生み出している。
02ALL FOR NOTHING
ヘルメットのペイジ・ハミルトンをギター&ヴォーカルに迎えたナンバー。“ALL FOR NOTHING(すべてが無駄に)”というフレーズを怒りとともにぶつけ、3分半とは思えぬ重厚な物語を作り出したラップメタル・チューンだ。
03GUILTY ALL THE SAME
ヒップホップ・レジェンド、ラキムを迎えたアグレッシヴなロック・チューン。メタルのテイストも感じさせるヘヴィなサウンドで叩きつける1分半にもおよぶイントロを経て、“お前だって有罪なんだ”と繰り返しシャウトする。ラキムのラップ・パートの完成度はさすが。
04THE SUMMONING
6作目のアルバム『ザ・ハンティング・パーティー』中盤に配された短いインストゥルメンタル。1分ほどの小品ながら、少しずつクレッシェンドしていくノイズは、なにかを“召還(SUMMONING)”しているかのような予感に満ちている。
05WAR
2分と少しという短めの尺ながら、圧倒的なテンションと迫力で駆け抜けるロック・チューン。“誰が正しいのかは勝利が決める”といったフレーズがありつつ、伝わってくるのは戦争の無意味さ。怒りにまかせたようなカオティックなギター・ソロが印象的だ。
06WASTELANDS
ハネ気味のリズムとともに、腹にズッシリと響く重心の低いサウンドで攻めるロック・チューン。荒れ果てた日々への怒りを吐き捨てるようなラップを中心に進むだけに、サビでのメロディアスな展開とのコントラストが映える。
07UNTIL IT'S GONE
ミディアム・テンポで重厚かつシリアスなサウンドを作り上げたドラマティックなロック・チューン。“何を手にしたのかわからないと、それを失くしてしまうまでわからない”という言葉遊びにも似たサビのメッセージが印象的だ。
08REBELLION
システム・オブ・ア・ダウンのダロン・マラキアンをフィーチャーしたロック・チューン。デジタルなサウンドも取り入れた結果、ハードでヘヴィなテイストながら近未来な雰囲気も漂う不思議な世界を構築。“レベリオン(反逆)”というタイトルとの親和性も高い。
09MARK THE GRAVES
1分半近くにもおよぶ長くヘヴィなイントロで幕を明けるロック・チューン。全編にわたってギターが主役で、複雑なアンサンブルで広がりのあるサウンドを作り上げている。メロディアスな部分とシャウトが入り混ざったヴォーカルも印象的。
10DRAWBAR
トム・モレロ(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)を迎えたインストゥルメンタル。美しいピアノを取り入れた落ち着いたサウンドが軸となっており、壮大な映画のBGMを思わせるようなドラマティックな余韻が切なく残る。
11FINAL MASQUERADE
ミディアム・テンポで進むロック・チューン。大きな展開こそなくパターンはシンプルながら、とにかくメロディアスなヴォーカルの旋律が特長。強度の高いメロディの魅力を前面に押し出し、それを最大限にアシストする引き算のアレンジを見事になし遂げている。
12A LINE IN THE SAND
6分半以上にもおよぶ長尺なロック・チューンで、全編にわたってヘヴィなサウンドが中心となっているが、決して一辺倒とはならずストーリー性豊かな展開が見事。エモーショナルなメロディとラップ、そしてバンドのアンサンブルが一体となった一大絵巻だ。