ガイドコメント
前作『THE BAY』から約1年半ぶりとなる2ndフル・アルバム。ミディアム・スロウな「MINT」やアシッド・ジャズの影響を感じさせる「STAY TUNE」など、ブラック・ミュージックに根ざした、クールでモダンな楽曲を収録している。
収録曲
01A.G.I.T.
アルバム『THE KIDS』からの先行配信曲。歪んだ力強いギターリフからのはじまりは、彼らの売りであるソウルよりもロック色が強い。終盤の展開など楽曲全体をとおしてもスケールの大きさが伝わってきて、アリーナ級のアーティストへの変貌を予感させる。
02STAY TUNE
2枚目のEP『LOVE&VICE』のリード曲として発表され、スマッシュヒットを記録した一曲。トラックとYONCEのとろけるようなヴォーカルがアーバンな雰囲気を醸し出している。一方、歌詞は有象無象が闊歩する都会の夜に僻々した心情を綴る。
03PINKVIBES
イントロ、間奏に挿入されるサックスがジャジィで、音階を昇り降りするベースとカッティング・ギターがファンキーなダンス・チューン。ジャミロクワイの影響だけでなく、ソフトロックやサイケを思わせるコーラスワークもニクイ。
04TOBACCO
ムーグのようにストレンジなシンセ・サウンドが耳を引くミドル・ダンス・チューン。スクラッチで用いられる女性コーラスの艶かしさと、YONCEのセクシャルなヴォーカルがマッチしている。“有能奴隷根性”という英語に聴こえそうな言葉遊びはサザンオールスターズ風。
05SNOOZE
エフェクトがかかったギターと揺らぐようなキーボード、多重録音されたヴォーカルなど、サイケデリックな要素が強めなナンバー。ドロドロのサイケというわけではなく、あくまでクールに決めるあたりはこのバンドらしい手法だ。
06DUMBO
3rd EP『MINT CONDITION』に収録。“アマチュアもプロも変わんないね”と吐き捨てるかのように放たれるサビのフレーズは、自分たちのバンドとしての立ち位置を示しているかのようだ。スクラッチが多様された一曲となっている。
07INTERLUDE S.G.S.4
アルバム『THE KIDS』のインタールードにしてインスト曲。ギター1本ではじまる冒頭から一変し、タムやメロウなエレピが加わりスムーズな展開を迎える。終盤には10cc『アイム・ノット・イン・ラヴ』のようなコーラスも入り、まどろみの中へと誘い込んでくれる。
08MINT
3rd EP『MINT CONDITION』のリード曲として発表。リラックスしたグルーヴとYONCEの力が抜けたヴォーカルという二つのピースが見事にはまっており、それを味付ける女性コーラスも心地よい。彼らのアンセムという意識で制作した一曲。
09SEAWEED
カウベルをはじめ、ラテンの要素も感じられる開放的なサビが印象的な、ロック色が強いナンバー。“リサクリ業者に持ってけ”“市場に横たわる 不感症”など飽和状態になっている市場に対し、テーゼを投げかける歌詞もアグレッシヴだ。
10ARE WE ALONE
イントロで流れるキーボードの旋律が甘くスムーズな一曲。ヴィヴラフォンのように揺らめく鍵盤の音がうっとりとさせる。“あてがないShowで踊るみたい”という心の拠りどころを求めているかのようなフレーズが綴られる詞を手掛けたのは、ドラムの“OK”。
11BODY
2nd EP『LOVE&VICE』に収録。ハードで鋭いアレンジがちらつくメロウなミッド・ダンス・チューンにあわせて、“コイントスで運命をChoice”“LOVE 儚い Future”など、明日も知れない若い無軌道な愛を綴っている。