ミニ・レビュー
等身大の私のレゲエ〜R&B 表現を送りだしている自作派/セルフ・プロデュース派歌手、近年のラブ・ソングを集めた編集盤。お囃子の入るビート曲、m-floや10FEETらとの共演曲、クリスマス・ソング、スウィートなバラードなど、多彩。澄んだ心意気、満載。
ガイドコメント
“LOVE”をテーマとしたコンセプト・アルバム。ヒット・シングル「シャナナ☆」のほか、m-floやRUDEBWOY FACE、10-FEETとのコラボ楽曲などが収録されている。聴くだけでハッピーになれそうだ。
収録曲
01シャナナ☆
ピアノとアコースティック・ギターの美しい旋律から一転、沖縄音階のクッションを経て情熱的なビートが展開するダンスホール・パートへ。それらのすべてをごく自然に橋渡しする驚異的な歌唱力。邦楽レゲエのさらなる進化が読み取れる佳曲。
02I Love You Baby
オーセンティックな裏打ちのレゲエ・ビートや、ホーンとコーラスを効果的に用いた包容力のあるバック・トラックが印象的。緩やかで力強い、レゲエ特有のポジティヴさがよく伝わってくる。愛について正直に歌う時の彼女のヴォーカルは、やはり魅力的だ。
03Lotta Love (m-flo♥MINMI)
“m-flo loves MINMI”名義でリリースされた、ダンスフロア仕様の楽曲。ハウス風の軽快な4つ打ちやシンセを中心に据えた上モノ使いは、いかにもなm-flo節。VERBALとの息の合ったマイクリレーも見事だ。
04CHERRY BLOSSOM (10FEET feat.MINMI)
10-FEETとの異色のコラボレーション作。メロウなビート感とルーズなピアノのフレーズが物悲しい、失恋をテーマにしたバラードだ。ヴォーカリストのソロとユニゾン、メロディとラップが交錯する構成が、曲の表情をより豊かなものにしている。
05NANDE (MINMI&RUDEBWOY FACE)
しなやかさと強度を両立させたダンスホール・レゲエのベース・ラインとビートに乗せて、RUDEBWOY FACEとのデュエットが展開される。男と女との埋まらない距離について歌われる、アダルティな純真の物語。
06MY SONG
線の太いギター・ストロークと乾いたリムショットが演出する、タフな女性の世界観。オーセンティック寄りの力強くも緩やかなレゲエ・サウンドに乗せて、一語一語を祈るような丁寧さで紡ぐ、厳かなヴォーカルが印象的だ。
07青空
スロー・テンポの控えめなビートとオルゴールのように繊細な上モノが形作るバラード曲。彼女のR&Bサイドにスポットを当てた、スウィートな楽曲に仕上がっている。ストリングスやハンドクラップを効果的に用いたトラックと、ドラマティックな展開も好相性だ。
08キセキのクリスマス☆ソング
ゴスペル風のオルガンとコーラスで幕を開けるクリスマス・ソング。穏やかな裏打ちを用いた、あくまでレゲエ仕様な楽曲構造と、クリスマスソングという夏と冬がアンビヴァレンツに同居する、ある意味ユニークなトラックだ。
09Stay With Me
ソウルフルなコーラス・ワークと抑揚を抑えたメロウでスウィートなダウンビートが形作る、R&B調のラヴ・バラード。“あなた”に向けてひた向きに歌われる、純粋で一途な気持ちが胸に響く。装飾の少ないストレートなトラックとメロディにも好感が持てる佳曲。
10愛するということ
跳ねるようなレゲエ・ビートに乗せて「愛するということ」という広大なテーマが日常的なトーンで歌われるポップ・ソング。シンプルなキーボードとギター、コーラス・ワークやドラムスが、彼女のヴォーカリストとしての魅力を引き立たせている。
11I Love You Baby (feat.Morgan Heritage)
Morgan Heritageをゲストに迎えたレゲエ・チューン。シンプルな裏打ちのダウンビート、歌うようなホーンの上モノ、それらに乗せて美しいメロディが奏でられていく。ふたりの驚異的な歌唱力に裏打ちされた心地良さが印象的な楽曲。
12Lotta Love (vibes mix) (MINMI♥m-flo)
“MINMI loves m-flo”名義で生まれ変わった「Lotta Love」のリミックス・ヴァージョン。原曲のハウシーな4つ打ちは身を潜め、軽快に跳ねるダンスホール・ビートを採用。アッパーさはまったく損なわれておらず、原曲の新しい魅力をうまく引き出している。