ガイドコメント
2009年に2枚組としてリリースされた『ザ・モンスター』のDisc1に、「バッド・ロマンス」PVなど、彼女のアート性が分かるDVDが付いた“デラックス・エディション”。ファンには見逃がせないパッケージだ。
収録曲
[Disc 1]
01BAD ROMANCE
あなたと危ない恋がしたいと熱烈に求める、レッドワン制作のエレクトロ・ミッド。“ラー、ラー、アアアー”からはじまるフックは、ヨーロピアン・ポップの香りに満ちている。“歩くパッション、私は自由な女”と言い切る自信が、歌唱にもみなぎっている。
02ALEJANDRO
悲恋的なストリングスから幕を開けるレッドワン制作曲。自分を愛する男たちの名前を告げながら、彼らから離れていく恋多き女の物語。スパニッシュ・タッチの哀愁曲は、マドンナ「ラ・イス・ラ・ボニータ」を思わせる。ガガの歌唱も、ここでは奇抜さは皆無。
03MONSTER
タイトルの強烈さとは裏腹に、そこそこ淑やかな歌唱をみせるエレクトロ・ポップ・チューン。私のハートを食べたあの男はモンスターと、虜になってしまったプレイボーイについて歌う。制作のレッドワンやスペース・カウボーイがバック・ヴォーカルでも参加。
04SPEECHLESS
恋人からのショックな一言を聞いて、もう二度と誰も愛せないと落胆する女性の心情を歌う。ブルース・ロック調の雰囲気もチラリと垣間見せるミディアム・ポップは、ロン・フェアのプロデュース。諦観と願望を行き来する葛藤が伝わる曲だ。
05DANCE IN THE DARK
フェルナンド・ギャリバイ制作のユーロ・ポップ調ミッド。ミステリアスな幕開けや漆黒の夜を想わせる展開は、“ヴァンパイア”の世界観。男に“どうかしてる”と言われる女の本心を歌うが、それは自身へ奇異な視線を向ける人たちへのガガ流の回答なのかも。
06TELEPHONE
「ヴィデオ・フォン(リミックス)」で客演経験のあるビヨンセを迎えた、アクの強い二人の競演。カイリー・ミノーグ風のエレクトロ・ポップで、制作はロドニー・ジャーキンス。彼からのしつこい電話にうんざりする女性の気持ちを歌っている。
07SO HAPPY I COULD DIE
レッドワン、レディー・ガガ、スペース・カウボーイ制作のエレクトロ・ポップ。シンセを軸にしたクラブ・ミッドで、“エエ、エエ、イェハ、イェハ”のフックが耳に残る。傷ついた心を癒すには自身を慰めればいいと、鬱屈した心境を吐露する悲哀に満ちた歌だ。
08TEETH
私が欲しいのはあなたのセックスだけと男を誘うエロティックなナンバー。自身を“タフなビッチ”と言い切る潔さがガガらしい。詞の印象が強烈だが、ニュー・ジャック・スウィングの陰をちらつかせるテディ・ライリーの図太いサウンド・メイクも心を踊らせる。
[Disc 2]〈DVD〉
01バッド・ロマンス (ビデオ)
02バッド・ロマンス (メイキング・オブ)