ガイドコメント
約2年ぶりのオリジナル・アルバムは、4人のクリエイターが紡ぎだす、神秘的で独特な音世界を表現。誰もが感じたことのある想いと情景が甦る、心に染みる作品に仕上がっている。
収録曲
[Disc 1]
01Anywhere
希望の見えない毎日を悩みながら生きていく……、そんな日々の葛藤を歌ったバラード。中村の「灰色の道を巡らせた街〜」という低音で無感情の歌声が、だんだんとサビに向かって力強く訴えかけるようになると、よりその苦しみが胸をさしてくる。
02まぼろし (Album arr.)
シンセのエコーのように響く幻想的な音で始まるミディアム・テンポのナンバー。寂しげな中村の歌声が、曲全体に憂いを醸し出している。最後までメロディの奥で小さく響くシンセの消えそうで消えない音色は、タイトルの「まぼろし」を表現しているようだ。
03今宵エデンの片隅で
04Rusty Rail
このレールをたどればあなたに行き着くのだろうかと、かつての愛しい日々への想いを綴ったミディアム・ラブ・バラード。ときに響くうねるようなギターと叫ぶように響くパーカッションが、静かな中にも消すことのできない強い気持ちを感じさせる。
05夢・花火
06かくれんぼ
“いち、に、さん、目を閉じて数えていた”とかくれんぼを描写した場面から始まるアップ・テンポな楽曲。見つからずにいれば願いが叶うとふっかけて、“そのまま祈るがいい。私は帰るよ、鬼だから”とあざける……。彼らの独特の世界観が味わえる作品だ。
07向日葵の色
アコースティック・ギターの憂いを呼ぶような音色が印象的なスロー・バラード。「向日葵の色 黄金に塗りつぶした」など、一般的な「向日葵」の持つ明るいイメージとはまったく逆の視点で、照らされ続けることによって隠れてしまう悲しみや陰の部分を描いている。
08晴れ時計
勢いのあるドラムから始まるアップ・テンポなポップ・ナンバー。「会いたい気持ちをあつめたら」など、明るく前向きな気持ちを表現していて、彼らとしては珍しく幸せ感の漂うラブ・ソングに仕上げている。
09マージナルマン
町に受け入れられず、でも新しい何かを残して行ってくれた人、「マージナルマン」。守るべきものと受け入れるべきものは何なのか……。そんな、いつの時代にも悩まされる葛藤を、アップ・テンポなメロディに乗せて問いかけている。
10籟・来・也
低音のメロディが少し重みを感じさせるミディアム・バラード。そこに、自然を感じさせるケーナの柔らかな音が入ることによって、曲全体を軽やかにしている。また、壮大なスケール感を作り出している四季を綴った歌詞にも注目だ。
11Yellow Moon
イントロから迫力のあるギター・サウンドが響きわたる、ロック感が漂うミディアム・テンポのナンバー。「ねぇ ぎゅっと抱きしめていて」など、彼らには珍しく具体的な表現を使った歌詞のため、他の曲にはない等身大の魅力を感じさせる。
12もうちょっとサガシテみましょう
軽やかなドラムとシンセから始まるポップ・ナンバー。高音のメロディや未来に向かった前向きな歌詞など、彼らには珍しい楽曲となっているが、「くたばってしまう」など独特の言い回しに「らしさ」が漂っている。
13春待つ花のように
泣くようなギターで憂いを感じさせるメロディへと流れ込む、穏やかなサウンドが特徴のミディアム・バラード。終わった恋のすれ違ってしまった気持ちを淡々と綴る中村の静かな歌声と、どこかノスタルジックなメロディが切なさを感じさせる。
14WEEKEND
ゆっくりと淡々としたメロディの中に寂寥感が漂うバラード。もういなくなってしまった愛しい人への忘れられない未練と幸せを祈る複雑な気持ちが、ときに感情を抑えるように、ときに感情を込めて歌うことによって表現されている。
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